まず知っておきたいことmanabi

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着物の基本を学ぶ

着物を着たいと思う人は大きく二つに分かれます。

一つは普段着として、とにかく着物を楽しく着られたら良いという人たち。もう一つは昔ながらのしきたりを守りながら、フォーマルを含めてきちんとした大人の着物を着たいという人たちです。

それぞれアプローチはことなるものの、どちらの人も着物文化を愛してくださる人たちで呉服屋としては感謝するばかりです。それでも、京ごふく二十八がどちらの人達のお役に立てるかと言えば、後者の昔ながらのきちんとした着物を着たい皆様です。

昔ながらの着物の世界に入りたいと思う人たちにとっては、周囲に尋ねられる人も少なく、信頼性の低いネット上の情報しかなくては着物のしきたりを理解することはちょっと難しいことかと思います。

比較的たしかな情報収集としては、呉服店を訪ねて販売員に質問することですが、入店しても着物を売りつけられないか、ベテラン販売員に良い顔をされないのではないかなど、皆様のご心配は尽きないことでしょう。

そこで京ごふく二十八では信頼性が高く、皆様のお役に立つ情報をインターネットで発信しようと考えました。

このページをご一読いただければ、着物の常識とされているようなしきたりを一通り押さえることができます。皆様が呉服屋とお話しするにあたっても、恥をかかない程度の知識は身につけていただける内容です。

さらに各リンク先の記事では、私が長年、呉服屋として仕事をしつつ、京友禅や西陣織の製造にも関わってきた経験から体得した「独自の見解」も交えての情報発信ですから、皆様が着物を本質的に理解する一助になることと思います。

着物を理解するための全体像

まずは着物のしきたりにどのようなものがあるのか、全体像をつかんでください。各項目を選択すると解説が出てきます。

ご自身に関係するところを読むだけでも十分かと思います。

着物の種類について、まずはご自身のTPOで必要となるお着物を知りましょう。

ご親族・来賓としての結婚式、叙勲:黒留袖、色留袖

成人式、大学の卒業式:振袖、色無地、小紋

知人としての結婚式、お子さんの七五三・入学・卒業式、茶道などのお稽古ごとなど:訪問着、付け下げ、色無地

気軽なお出かけ、お食事など:付け下げ、付け下げ小紋、小紋、紬、木綿、浴衣

京ごふく二十八のお客様で一番ご注文が多いお誂えは訪問着と付け下げです。ただ、着物好きの人のみならず、呉服の販売に携わる人でもきちんと理解できていないのが「訪問着と付け下げの違い」です。

これをご理解されているかどうかで、ご購入の成否に大きな差が出ます。訪問着、付け下げのご購入をお考えの方は下の解説記事を是非お読みください。

フォーマルな着物はある程度、着る人の年齢をイメージして作られています。例えば訪問着などは、若い人向けには綺麗めな色柄、お年を重ねることに合わせて落ち着いた色柄が企画されます。洋服にも色柄による年齢的なものもあるとは思いますが、着物の世界ではそうした傾向が一段と強いのだと思っておいていただけたら間違いありません。

ただ、そんな着物でも時代による緩和や、個人のお好みを優先する傾向は強まっていますので、上記のことを知りつつ楽しんでお召しになってください。

紬などのカジュアルな着物については年齢のくくりがほとんどありません。こちらは一層自由に楽しんでください。

着物・帯・長襦袢・帯締め・帯揚げ・草履・バッグ・肌襦袢・裾除け・腰紐(3本)・伊達締め(2本)・衿芯・帯板・帯枕・足袋・肌着・裾よけ・腰紐3本・伊達締め2本・コート(羽織)・髪飾り・末広

ホテルや室内だけのご着用においてはコートや羽織は必要ありません。フォーマルものでは末広を携帯し、髪飾りもご用意があると良いでしょう。

新規にお着物を購入される場合でも、お手持ちの品物を活かせます。ご予算に応じて、帯、長襦袢などはご調整ください。

着物には季節があり、一年を通じて下のように更衣(ころもがえ)します。ひと昔前までは、1日、末日を境にしていましたが、夏の気温が早くから高まり、春と秋の季節が短くなった現代では緩和される傾向にあります。着ていくTPOに合わせてお選びください。

・1〜5月:袷(あわせ)

・6月:単衣(ひとえ)

・7、8月:薄物(うすもの)、盛夏の着物

・9月:単衣

・10〜12月:袷

「袷」とは、透けない生地を表地にして、裏地をつけて仕立てた着物をいいます。

「単衣」は、ほぼ透けない生地を、裏地なしで仕立てる着物のことです。

「薄物」は、透け感のある生地を、裏地なしで仕立てた夏向きの着物です。

まずはご自身が一番着用シーンが多いと思われる季節の着物をお選びください。袷の着物が最も長い期間、そして一般的にはご着用機会が多い季節のお着物です。

 

着物は描かれている柄によって、季節を表す場合があります。そうしたお着物の場合は、袷や単衣という仕立て方だけで判断せず、柄を見て季節を使い分けるのです。

よくある例ですと梅は新春、桜は春先、夏は秋草など、季節を先取りして着用します。桜などは3月に入ってから開花を連想させるように着用し、花が満開になる手前で着物としての出番はおしまいです。理由は着物の桜も、本物にはかなわないものですから譲るという意味合いで、それが粋とされます。

季節を表す草花でも、訪問着や付け下げなどには全ての季節の花が入れられている場合も多く、そうした着物は季節を問わず着用できます。

お正月には根引の松や羽子板や独楽(こま)、節分、雛祭り(桃の節句)、端午の節句、夏は虫かご、秋は月、最近ではハロウィンやクリスマスなどの柄もあります。

吉祥文様についても少し知っておいて頂きたいと思います。結婚式などのおめでたい席では、主に吉祥文様の描かれた着物を着用します。

例えば松竹梅、青海波、亀甲、七宝、貝合わせ、貝桶、宝尽くし、扇子に地紙など。長く日本人に愛されてきた模様を身にまとってお祝いの気持ちを表します。

近年、和装での仏事は少なくなりましたが、仏事の時には吉祥文様は逆に避けますので、知識としては知っておきましょう。仏事に選ばれる柄としては流水、蓮、雲、夢という漢字、紗綾形(さやがた)などです。綸子(りんず)地など光沢がある着物生地も控えて縮緬など落ち着きのある生地を用います。地色も黒から、紫、茶など落ち着いた色を回忌に合わせて選びます。

着物に触れ合うことで、家紋を意識される方も少なくありません。皆様の家のルーツを表す家紋について、この機会に調べてみましょう。家紋は入れないという選択肢もありますが、入れることで格は大きく上がります。家紋を入れる場合でも、3つの要素でさらに格が変化するので覚えておきましょう。

家紋の数さらに入れた場合は家紋の数を1、3、5個のうち、より多く入れれば格は高くなります。

家紋の入れ方:また家紋の入れ方によっても格が変わります。染め抜き紋という白く抜いた上に黒い線で家紋を描く方法は最も格が高く、刺繍による縫い紋は比べると格が下がります。縫い紋の場合は、そのぶん控えめで使いやすいということもあります。

家紋のアレンジ:同じテーマの家紋でも丸のある無し、ひなた紋と陰紋、のぞき紋など、デザインを変えることによって格が変化します。こちらも紋帳などを見ながらご相談ください。

女性の場合は、女紋(おんなもん)という存在があり、地域によっては実の母親の紋を引き継ぐという場合も多々あります。

撥水(はっすい)ガード加工とは、ある種の樹脂加工により、水による汚れを防ぐ効果があります。お好みでお選びになれば大丈夫ですが、特にお好みがなければ訪問着を小紋など友禅のものにはガード加工をしておいても良いかなと思います。結城紬や作家さんの紬など、風合いを大切にしたお着物にはガード加工をしない方がおすすめです。

・水による汚れ、水ジミを防げる。

・60℃以上の液体では効果がないガード加工がほとんど。

・油分には撥水効果がない。

・わずかながら風合いの変化がある。

呉服店で着物を購入する場合は仕立てをすることが多く、寸法(サイズ)を決める必要があります。もちろん呉服店に任せれば良いのですが、皆様に購入者として、ユーザーとして知っておいていただきたいことをお伝えします。

・着物の寸法は統一

 なるべくお手持ちの着物寸法は統一することが望ましいです。特に裄、袖幅、袖丈については着物と長襦袢のサイズがあっていないと、袖口や振りという部分から長襦袢が出てしまってかっこよくありません。また、お手持ちの着物寸法がバラバラだと最初は把握できても、将来的に着物の数が増えてきた時に、長襦袢との組み合わせで悩むことになります。なるべく一つの寸法に統一できるように注意しておきましょう。

・ベストの寸法を追求

 初めての着物の場合、呉服店がお身体を採寸して着物寸法を決めることになります。よく「プロが採寸したから間違いないはずだ」と思って、その後、うまく着られないと着方(着付け)の練習を重ねる方もいらっしゃいますが、「着方」と「着物寸法」は相互に依存する関係です。たくさん補正を入れて綺麗に着るよりも、補正を少なくしても着られる寸法が望ましいものです。たくさん着る中でお気づきになることもあるでしょうから、そこで寸法も改善していくのがベストです。

 

着物は洋服とちがって、着用に若干のハードルがあります。それが「着付け」とよばれる着物独特の着装。着付けという言葉には他者に着せる意味合いも強いのですが、ご自分できちんと着ることも着付けと称されます。

着付けをするのは、自分でやるか、他者に頼むかで分けて考えましょう。

・自装:自分で着付け

着付け教室に習いに行くなどして、ご自分で着方を身に付けることができます。

高いレベルを求めるならば教室は外せませんが、とりあえず自分で着て出かけられるようにというレベルであればYoutube、書籍などで十分できるようになると思います。

余談ですが、着付け教室は無料などのところよりも、少しお金を払ってでも着装を習う教室にしましょう。着付けを入り口として、高額な着物販売がセットになっていることが多いので、初めての方は注意が必要です。

・他装:他者に着付けてもらう

着付けを得意とするご家族や友人、もしくは美容師やプロの着付け師に頼む方法です。ご自分で着られる人でも、留袖や訪問着など、フォーマルな着物は美しく着装するためにプロに頼むという方も多いもの。フォーマルよりのご用途であれば、まずは着付け師に頼むと思っておけば良いと思います。

まとめ

きちんとした着物の世界に入るのはむずかしいとは書きましたが、やはり「習うより慣れろ」です。着る回数を重ねるほど美しさは洗練されます。着物について発見することもたくさんあります。

ぜひ知識をたくわえたら、お召しになって楽しんでくださいませ。京ごふく二十八も喜んでお手伝いをさせていただきます。

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