世界には様々な注文服の文化があります。代表的なのはパリのオートクチュールでしょう。オートクチュールは大変素晴らしいもので、メゾンを支えるお針子技術やデザイナーの地位の高さ、世界でのセールスやブランディングなど、ビジネスの仕組みについて呉服業界とは比べ物にならないぐらい優れているのは言うまでもありません。
しかしながら、注文服のスタイルとして考えると、オートクチュールは、毎年デザイナーが発表するコレクションを見た顧客が注文し、注文主のサイズに合わせるというもの。つまり「サイズ合わせ」が中心であり、クリエイティブな部分はすでに完了していますし、世の中に同じ色、デザインの服を着た人が何人かはいることでしょう。
それに対し、呉服の「お誂え」は、ご注文くださったお客様のためだけに柄をデザインし、自由な色を染めていくクリエイティブなところから始められるのです。江戸時代、世界に先駆けてモードが生まれた日本だけあって、現代では一般の人たちまでそうした着物のお誂えを楽しんで頂くことができます。
日本人だけに許される「注文服=お誂え」をあなたも一度体験してみませんか。