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御誂2-1 付下げ訪問着(黒地 梅に春の草花)

御誂えで作っておりますお着物について、御誂え主様にご了解を頂けましたので、皆様にお伝えします。

作っているのは格で言えば付下げ訪問着ぐらいでしょうか。金彩は控えめにします。黒地にメインは梅の花が上前の膝辺から胸元まで立ち上がる景色です。他の草花も水仙やカタクリなど新春から春先までの季節限定柄です。

今回の御誂主様が、華道の先生でいらっしゃるので、季節選びは当然のことながら、ご自身がその花の姿を愛せる草木ばかりでまとめてこの世に一点限りの着物を染めて行きます。

 

まず青花でサラッと描いた下絵で大体の構図を御誂主様にご確認頂きます。もちろん変更はいくらでも可能です。

上のような大体の構図のアタリを元に、本格的な下絵を描きます。下絵は白生地に直接描く方法と、大きな紙に描く草稿を使う方法があります。今回の下絵については草稿にしています。次の写真が草稿です。

上前衽から梅が胸元まで立ち上がっています。上前裾に水仙、左後ろ身頃にカタクリ、右後身頃には山茱萸(さんしゅゆ)です。

                      

 

あせび

 

こぶし

 

これを白生地に真糊で描き写してから柄の色挿しに入ります。真糊の場合は地色よりも先に柄の色挿しを行います。

 

小さい写真ではありますが、衽左下の梅の幹が少し太めになっているようにも見受けられると思います。これには2つ理由がありまして、一つは胸まで伸びる枝を支える土台としての逞しさが必要だったためと、もう一つの理由は、地色が黒になるため、同じ柄の色で薄い地色に染めた場合に比べると、目の錯覚により枝などが細く見えてしまうのです。また下絵は輪郭が墨で書いた線ですが、着物になると糸目糊の白い輪郭線になるのでもっと柔らかい印象になります。そうした事まで含めて、下絵の段階から計画して行きます。

 

また最終的な仕上がりとご比較頂けましたら違いをお楽しみ頂けることと存じます。

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

職人の後継者育成を目指し、2014年に京都で二十八を創業。京職人とのネットワーク、お客様とのコミュニケーションを通じて、世界でただ一つの着物をプロデュースできることが強み。 日々、呉服業界のグランドデザインを変えて行くために、京都、東京を中心に仕事をしています。

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原巨樹(はらなおき)

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京都でベンチャーの高級呉服店を経営。1980年生まれ、元海上自衛官。

Photo by HAL HOSHINO