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【リオ】小池百合子 東京都知事の着物を賞賛すべき8つの理由。

【リオ】小池百合子 東京都知事の着物を賞賛すべき8つの理由。

 リオ閉会式における小池都知事の着付けや、立居振舞について、ネット上で多くの批判が並んでいる様子を見て非常に驚きました。なぜならば小池百合子さんのお着物姿、完璧と言って良いぐらいの着物選び、コーディネートだったからです。

 

小池都知事ほどの着物姿に批判が集まると、着物初心者の方々には不安も出てくるのではないかと心配です。

「小池百合子さんほどの高そうな着物が批判されるなんて!」

「みんなが批判している内容が理解できないなんて、私には着物なんて着られない!」

そんな皆さんのために、プロの呉服屋としての見解を書いてみます。私はちょっと変わった呉服屋ですから、小池都知事のリオ着物否定派の人もあまり気になさらないでくださいね。また政治的なことはわかりませんので、あくまで呉服屋としての見解です。小池百合子さんは昭和27年のお生まれで、私の母と同じ年齢ですので批評は僭越ですが、どうぞお許しください。

 

オリンピックの各写真は産経新聞社から転載

 

 

1.色留袖、3ツ紋という非常に格が高い着物選び。

まず注目したいのは、小池都知事が色留袖で3ツ紋を選んでいることです。色留袖とは上半身は無地ながら裾に豪華な柄があり、非常に格が高い着物です。着物の格は「着物の種類」と「紋の数」によって決まります。まず、ここで着物のルールについて簡単に説明します。

◎ルール1.着物の種類

格が高い順番に列記しますと黒留袖、色留袖、訪問着、付け下げ、色無地、小紋、お召し、紬となります。振袖は未婚女性の第一礼装で、黒留袖、色留袖に並びます。

◎ルール2.紋の数

例え着物が同じ種類(色留袖など)であっても、紋の数によって格が変化します。「紋なし、1ツ紋、3ツ紋、5ツ紋」の各バージョンがあります。皆さんにも意外と馴染みがあるのは、結婚式の時に新郎が着用する「黒の紋付袴」ではないでしょうか。人生最大と言っても過言でない結婚式というイベントにおいて、新郎は紋付の中でも最上級の5ツ紋を着用します。結婚式でお母様が着用する黒留袖も5ツ紋ですね。茶道におけるお茶会などでは1ツ紋が多いものです。

 

2つのルールを踏まえて考察すると、3ツ紋の色留袖はベストの選択だったと言えるでしょう。

なぜならば黒の留袖を選んだ場合、5ツ紋という格の高さは問題ないにしても、結婚式のイメージが強すぎますから今以上にネットで批判されることは間違いありません。また1ツ紋の訪問着を選んだ場合、華やかさがあって紋付ですから十分なのですが、オリンピック閉会式というTPOを考えると3ツ紋付きの格の高さには見劣りがします。訪問着に3ツ紋という選択肢もなくはないですが、それは現代の呉服事情を鑑みると現実的ではありません。なぜなら訪問着といえども3ツ紋を入れてしまっては、格が高くなり過ぎて着用場所を制限してしまうからです。近年は訪問着でも、紋なしでお誂え(あつらえ)することがよくあります。さらに付け下げではTPOに対して柄の格が低過ぎますし、色無地を3ツ紋にすることはできますが見た目に寂しい着物となってしまいオススメできません。

 

小さくですが、紋が確認できます。袖に入っているということは3ツ紋か5ツ紋。紋が入る場合、背中には必ず1ツ入ります。また袖に入るならば両袖の後ろに必ず入りまして、胸元には入っていませんから、3ツ紋ですね。

画像はNHKの放送から。

 

 

 

2.オリンピック閉会式という盛大なるTPO

小池都知事は7月31日に行われた東京都知事戦に当選され、リオの閉会式は8月22日(日本時間)。急いで呉服店に飛び込み、無理を頼んで仕立てれば間に合うとは言え、店頭に並ぶ商品をあわてて選んでは良い買い物とは言えません。

小池都知事のオリンピックにおける着物着用は、最高の着物をワードローブに用意しておけば、いざという時に安心できるという好例だと言えるでしょう。もちろん東京都知事選を勝ち抜いて、直後にオリンピック閉会式で世界の晴れ舞台に立つというTPOは、誰にでも起こりうることではありません。小池都知事の勝負強さが流石です。

呉服業界では色留袖が売れなくなったと嘆く呉服屋の声をよく聞きますし、制作現場での生産量も激減しています。それだけ現代日本人には着用の機会が少ない種類の着物なのです。

色留袖は、東京近郊ならば親戚の結婚式などで着用の機会もありますが、少子化の影響もあり新郎新婦のお母様でも黒留袖を誂える方は少数ですから色留袖も同じ状況。また関西は親戚の結婚式でも黒の留袖を着用しますので、色留袖の誂えは少ないのです。呉服屋としてよくお納めさせて頂くのは叙勲の機会ですが、それこそ日本人全体の中では超少数派。さらには叙勲の方々でも近年はレンタルが多いですから、3ツ紋付きの色留袖という選択肢をワードローブに持っているだけでも、小池百合子都知事を呉服屋として賞賛したくなるのです。きちんとした方々なら当然なのかもしれませんが、それでも素晴らしいと思います。

 

こちらの写真はNHKの放送から抜粋させて頂いています。

ミリタリーの方々がものものしく、男性のスーツ姿が目立つ中、小池都知事の着物姿には文化力と女性らしさが溢れていました。オリンピック閉会式への貢献も大きいものと考えます。

 

 

 

3.着物の柄は「琳派 群鶴図(りんぱ ぐんかくず)」。

着物のデザインは琳派から採られた群鶴のモチーフです。何百年の間に、様々な作者がありますが、呉服業界では長く愛されている図案です。京都では毎年琳派の着物が染められており、着物を代表するモチーフと言って差し支えありません。

また世界の大舞台で着用するならば、日本を象徴するデザインが求められます。それで言えば、松竹梅や鶴、宝尽くしはとても日本らしさがあって宜しいものです。もちろん中国伝来のいわれですが、故事によれば鶴は1000年を生きるとされる瑞鳥。古くは「たづ」とも称され、丹頂(たんちょう:頭の赤さ)と姿形の美しさもあって日本人に愛されて来ました。また平安時代から江戸時代を通じて、中国伝来の意味合いから、日本人にブラッシュアップされて現代にまで続く素晴らしいモチーフとも言えます。

例えば、旧約聖書の世界に出てくる「オリーブをくわえた鳩(ハト)」がシルクロードを通り、正倉院の「花喰い鳥(はなくいどり)」、さらに発展して「松喰い鶴(まつくいづる)」になったことなど。なお、英語で言えば鶴はクレーン(CRANE)。重機のクレーンの名称もここから。余談でした。

 

 

◎俵屋宗達「鶴図下絵和歌巻(つるずしたえわかかん)」

京都国立博物館 蔵

 

◎鈴木其一(すずききいつ)「群鶴図屏風(ぐんかくず-びょうぶ)」

メトロポリタン美術館(ニューヨーク)蔵

 

 

 

4.大胆で上品なコーディネートは上級者ならでは。

この鶴のデザイン、テレビにも非常に映えました。違う言い方をすれば極めて舞台映えする着物だったと言えます。小花など、細かい柄がコチョコチョ染めているようなデザインでは舞台映えがせず、あまり良くなかったかも知れません。また大胆と言っても全身花柄のド派手な訪問着というのでは、東京の首長として相応しくない装いでしょう。大胆さにより世界中の人が見ても素晴らしいと感じさせながら、日本人の目の肥えた着物好きにも上品と言わしめる。そんなコーディネートで臨まれたのは極めてレベルの高いことだと思います。

 

◎着物

小池都知事のお着物、一般的な花柄の着物に比べると非常に大胆な図案です。もしお客様が呉服屋の店頭で見かけても、「これ、良い着物ねぇ。欲しいわぁ。」と仰る方は経験的に少なかろうと感じます。大胆で印象的な着物というのは、周囲の人に覚えられやすく、なかなか同じメンバーが集まる機会には着づらいと感じる女性は多いものだからです。

また、デザインが大胆なだけでは素敵とは言えません。やはり大胆さに加えて、上品さというものがなければ、日本人はもちろん世界の人達にも見透かされてしまいます。その点、京都でベンチャーながら高級呉服店を自負する私が、ニュースの映像を一目見て「あっ、素晴らしい着物だ!!」と感じさせてくれるだけのお品物でした。

 

◎帯

金の袋帯もコーディネートとしてはバッチリです。色留袖にはやはり最高のフォーマル帯を合わせたいもの。そうなれば金の箔糸(金箔を細く裁断して糸にしたもの)で織り上げた西陣織の袋帯にかなう品物はありません。特にオリンピックといえば金メダル!!世界中、誰にでも通じるゴールドの価値は、世界に対して敬意を表する分かりやすいメッセージになったのではないかと思います。

 

◎コーディネート

 加えて帯のデザインは雲霞などに草花の丸文と見受けますが、これも非常によろしいですね。着物にも花柄、帯にも花柄、なんてなると花争いのコーディネートで美しくないもの。「金色」の鶴を受けて、おめでたい草花、瑞雲を散りばめた「金色」の帯ならばコーディネートもバッチリです。

 

今回、大胆なアピールはスーパーマリオ【現代的】で安倍総理が担ってくれましたから、小池都知事が上品に着物【伝統的】でまとめた甲斐があります。

 

5.日本の晴れ舞台に着物を選んでくれた!

オリンピックでは世界の人たちだけでなく、日本人にも注目されています。近年はちょっとしたことでマスコミに叩かれる風潮がある中、世界が注目する大舞台に着物で臨んでくださったことは、一呉服屋として感謝せざるをえません。

ちょっと話がそれるようですが、京都ではレンタルの着物が日本人のみならず海外の観光客の方に大人気です。「あんなペラペラの着物を着はって。。。」という陰口もよく聞きますし意味合いはわかるのですが、それでもあえて言うならば「着物を全く着てない京都人、特に呉服関係者よりは偉いよ!」と。リングで戦っているボクサーと、リングサイドで評論家をやっている人ぐらい、リスクに対する差があります。

その点からもこれだけの大舞台で、小池都知事が着物を選んでくださったことには呉服屋として心から有り難い気持ちばかりです。

 

 

 

6.小池都知事の着付けから考える「昭和の東京オリンピックと着物」の因縁

小池百合子都知事のリオ閉会式での着付け。問題なく、素敵だったと思います。人によって細かい個人的こだわりはあるでしょうけれども、あの着付けのレベルならば間違いなく及第点以上です。この項目ではそれ以上に重要な観点で考えてみたいと思います。それは「着物の世界がルールに固執し過ぎている」ということです。これは私の自省も含みます。

昭和の東京オリンピック開催が決まった頃、着付け関連の仕事をする人達から、「海外の人たちを迎えるにあたって日本人の着物の着方はだらしなさ過ぎる。はだけたりしていても平気で、これでは世界のお客さんを迎えるにあたって恥ずかしい」という意見が起こったそうです。(インターネットで検索してもこの情報はないですし、私も昔の方からの耳学問です。)そうして、いかにすればきちんと着物を着られるのかという技術が高められ、着付け教室などを通じて現在まで流布されて来ました。そしていつの間にか、この「綺麗に着る」ということを突き詰めるばかりになって、着る人たちの快適さや気持ちがないがしろにされているのです。確かに現在のきちんとした着付けが私自身も見ていて美しいとは思うのですが、あまりこの点をうるさく言うことで着物離れが進んだのも事実と言えます。何しろ、経済産業省の調査(和装振興研究会 報告書 P.18最下部の表)によると、着物を着たいという初心者の女性にとって最も高いハードルになっているのが「着付けができない(約58%)」というものだからです。

現代においては若い女性が着物を着て街を歩いたり、電車に乗っていると、急に知らない女性から「あなた帯が曲がっているわよ!」といきなり帯の形を直された、なんていう話をよく耳にします。これは男性がスーツを着ていて、「あなたネクタイが曲がっているわよ!」と、突然ネクタイの結び目を知らない人に直された状況とでも言えば異常さが伝わりますでしょうか。着付けの先生方も、ご自身のプロフェッショナルの道ですから、人を見て指摘したい気持ちもよくわかるのですが、ある程度寛容にならなければ、知らない人の着物姿を指摘、注意する姿勢が、先生方の気持ちと裏腹に着物離れを促進する結果になっているとも言えるのです。ちなみに昭和初期の映像では着物姿もいい加減なものですし、「男はつらいよ」の頃の着物姿も皆さんとても気楽に着ています。

しきたりの大切さは私も重々承知のことですが、「しきたりと、時代に合わせた寛容のバランス」こそ、現代の着物が抱える大きな課題です。

この着付けに関するこだわりが昭和の東京オリンピックに端を発しているのは興味深いことです。そして年月が経ち、2020年の東京オリンピックでは、「もうちょっと気楽な着付けもありだよね」となってくれば嬉しいものです。

 

 

 

7.叙勲を踏まえて、オリンピックを3ツ紋にしたことを日本人だけは賞賛すべき。

これは不躾な推測ですが、防衛大臣、環境大臣、東京都知事を歴任された小池都知事ならば叙勲は確実。となれば

天皇陛下を拝する叙勲に5ツ紋付き色留袖を残して、リオオリンピック閉会式は3ツ紋付き色留袖を装ったとなれば、それこそ日本人としては拍手喝采して宜しいかと思います。オリンピックは派手ですし、小池都知事も主賓とはいえ、観覧者は非常にカジュアルな装いのイベントですから、叙勲の格式には及びません。

皇室において黒は喪の色とされていますので、格上といえど黒の留袖では叙勲のための参内には向かないもの。明治時代は絶対に5ツ紋付き色留袖でなければ許されなかったようですし、現代でも5ツ紋付の色留袖が叙勲に最もふさわしい装いであることは間違いないのです。(ただ、以前、電話で問い合わせましたところ、近年は現代の慣習を鑑みて、宮内庁からも3ツ紋の色留袖はもちろん、1ツ紋の訪問着なども構わないとの通達が出るようです。)

ちょっと邪推だったかもしれませんが、もし叙勲のために5ツ紋の色留袖は取って置き、たとえ世界が注目し10億人が視聴するオリンピックの閉会式であっても3ツ紋付にしたというのは非常に粋なことではないでしょうか。これは叙勲の価値と着物のしきたりを知っている日本人以外、世界の人にとっては絶対に推測できることではありません。

茶道にも通じますが、着物の世界というのは、着用する人が相手や周囲を慮(おもんぱか)って着る着物を選ぶもの。相手のことを考えるという「おもてなし」の精神だと思います。それゆえ、同時におもてなしを受ける側、ゲスト(茶道のお客)にも素養が要求されます。ホスト(茶道の亭主)に言われずとも、ホストの意向を推察できる素養です。今回、ネットの論争を見ると着付けと価格のことぐらいしか挙げられず、色留袖や3ツ紋という言葉さえほとんど出てきませんでした。小池都知事が叙勲までお考えになっていたかは別として、このぐらい推察できるのも着物のしきたりの面白いところです。

オリンピックほどの派手で盛大なイベントにも惑わされず、叙勲と比較して3ツ紋付を選ぶというのは、それだけTPOに対する考え方がしっかりしていなければできないことです。もし将来の叙勲までを見据えての着物選びをされていながら、インタビューでも「雨に濡れましたね。」なんていうコメントで終えられたなら、とても粋じゃありませんか。

もちろん小池都知事が叙勲に際して、今回お召しの3ツ紋付き色留袖をご着用になっても素晴らしいことと思います。非常に素敵なお着物ですから。そして着物ファンの我々としても、もし小池都知事が叙勲に際して、今回の色留袖をお召しだったら「あの時、リオの閉会式でお召しだった着物よね〜。素敵だわ。」と、またエピソードを思い出しながら楽しませてもらえる喜びもあるというものです。

 

8.雨の中でもお着物で!!

雨ほど着物を着る人が怯(ひる)むことはありません。晴れたら着物で、雨が降ったら洋服にするという女性は非常に多いものです。そうした選択肢もあったでしょうけれども、大雨であっても堂々と着物を着てくださっていました。ネット上でも小池都知事のお着物に対する雨の影響が心配されていましたし、もちろん濡れないに越したことはありません。

ただ、着物について洗い張り(全てほどいて洗うこと)、仕立て直しの必要はあるかも知れませんが、これでダメになってしまうということはないと思います。

◎絹:水に対しては強い素材です。京友禅では製造工程で流水を通す工程があります。昔は鴨川などで行われていました。

水に濡れた状態で擦ると生地が傷んでしまうので、この点は注意が必要です。シミをつけた時に慌ててティッシュを濡らして叩いたり擦る方もありますが、これは生地が修復できなくなるほど傷みますので良くありません。

◎染め:確かにもし製造工程で蒸し(染料を定着させる効果)が甘ければ、染料が流れてしまうことはあるかも知れませんが、地色がこれだけ薄い色で、柄の鶴もほとんど胡粉(白い粉)で染められていますから、それほどの影響はないように思います。

◎仕立て:これは残念ながらビショ濡れになってしまえば狂いが出て来ます。縦横の縮みが考えられますし、とりわけ裏地と表地で収縮が異なるので、裾部分に生地が弛んだようになることでしょう。ただ、小池さんのお着物の場合、八掛(はっかけ:裾まわりの裏地)はおそらく表地と同じ生地で染めてあるので若干は表裏の収縮差が小さいと思います。状態によって異なりますが、洗い張りをきちんとやって仕立て直せば、元どおりになると考えます。

◎金彩:金彩は金箔を貼り付けるのに利用されている接着剤の種類によって洗い張りなどの時に少し心配はあります。

◎刺繍:小池都知事のお着物は、金駒(きんこま)という豪華な刺繍が施されていて、それがポイントです。この金駒刺繍若干歪んだりはあるでしょうけれども、お直しが可能な範囲だと推察します。

◎帯:状態は気になりますが、おそらく濡れてしまっているでしょうから、帯芯交換のためにも仕立て直すと良いように思います。和紙に金箔を貼って裁断した箔糸を用いているとは思いますので、この和紙も水には強いと思います。

 

「都の税金で着物を直してあげたら!?」というご意見も見かけましたが、小池都知事にはちゃんとした呉服屋さんがついておられると思いますので、皆さんのご心配には及ばないはずです。オリンピックでの着物宣伝効果を考えると、むしろ呉服業界が無料で直してあげたいぐらいです!

 

 

 

まとめ

以上が、リオオリンピックで小池百合子 東京都知事が着てくださっていた着物への見解です。私としては賞賛したいポイント満載で、素晴らしい装いだったと思います。

着物の世界は様々なしきたりがあって、難しいことも多いもの。そして呉服屋も着付けの専門家もそれをきちんと守ろうという気持ちが強すぎて、現在のように着物離れしてしまったという側面は否めません。わかる人達だけで守って行こうと。ただ、そうした方向性では着物を着たいという人達も増えませんし、「着物生産する職人は若くても60代」という職人の超高齢化に歯止めをかけることはできません。私は現場でモノ作りをする人間としてこの危機感は募るばかりです。

昔ながらの着物のしきたりを踏まえて、これから着物を着ようとする人達に少しでも気軽に一歩を踏み出してもらう。

そんな気持ちを持っていると、小池百合子 東京都知事がリオオリンピックの閉会式で、素晴らしい着物姿を披露してくださったことには感謝の気持ちが溢れるばかりです。皆様にもお読み頂きまして、御礼申し上げます。

 

オリンピックの各写真は産経新聞社の記事、NHKの放送から転載しています。ありがとうございます。

アメブロ:京ごふく 二十八(ふたや)

 

 

 

執筆者:株式会社二十八(ふたや)

    代表取締役 原  巨樹(はら  なおき)

1980年、大分県生まれ。防衛大学校卒業後、海上自衛隊へ。

2008年、着物職人の後継者問題に取り組むため、呉服業界に入る。全国の着物産地を回ることをライフワークとしながら、東京銀座の呉服店で5年4ヶ月間の修行。

2014年、京都で株式会社二十八(ふたや)を設立。中間流通をなくして、最高級の呉服をリーズナブルに誂(あつらえ)える事業を運営する。お客様と職人を繋ぐ存在として、着物の啓発活動のためにウェブでの情報発信、セミナーなども行っている。

写真:HAL KUZUYA

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

職人の後継者育成を目指し、2014年に京都で二十八を創業。京職人とのネットワーク、お客様とのコミュニケーションを通じて、世界でただ一つの着物をプロデュースできることが強み。 日々、呉服業界のグランドデザインを変えて行くために、京都、東京を中心に仕事をしています。

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京都でベンチャーの高級呉服店を経営。1980年生まれ、元海上自衛官。

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