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決定版!【訪問着と付け下げの違い】を見分ける唯一のコツ

訪問着と付け下げの違いについて、お悩みの方は大変多いもの。実は販売しているプロの呉服屋であっても、その違いを詳しく突っ込まれるときちんと説明できないということはあまり知られていません。

私の調べる限り、インターネット上に書かれている答えも、80点を超えるものはほとんどありません。間違ってはいないのですが、結局ユーザーの疑問を解決しきれていないと感じるのです。

 

こんな「訪問着と付け下げの違い」を聞いたことはありませんか?

訪問着とは(一般論)

・着物の形(絵羽:えば)で売られている。

・柄が縫い目で繋がって、着物全体がキャンパスのように染められている

・八掛(はっかけ:裾まわりの裏地)が、表地と同じ生地で、柄が染められている。

・胸と衿の柄が繋がっている。

付け下げとは(一般論)

・反物で売られている。

・柄が縫い目で繋がらず、飛び飛びになっている。

以上の定義も間違いではないのですが、矛盾する例が多すぎて、困っているユーザーがたくさんいることは見過ごせません。

 

訪問着と付け下げの違いをお伝えする前に。

「付け下げ訪問着」という存在の謎

例えば、呉服店で「付け下げ」として販売されているのに、販売員さんが

「これは仕立て上がると訪問着のようになります」

と言われたご経験はありませんか。ネットの記事を読んでいても、「付け下げは縫い目で柄が繋がらない」と書いているわりには、写真で出している付け下げは柄が繋がっていたりするのです。一般の呉服店ではそうした商品を「付け下げ訪問着」などと呼び、皆さんを悩ませる存在でもあります。

・初心者が必ず悩む【付け下げ訪問着】とは!?京ごふくのプロが解説!

ハンバーガーが好きな人はアメリカ人?!

ちょっと変なことを書きますが、「ハンバーガーが好きな人は全員アメリカ人です」と言われるといかがでしょうか?確かにアメリカ人は何となくハンバーガーが好きそうなイメージはあると思いますが、当然アメリカ人の中にもハンバーガーを食べない方々はいますし、アメリカ以外の世界各国にもハンバーガー好きはいるでしょう。

ハンバーガーを食べる人 = アメリカ人

ということと同様に

八掛にも柄がある = 訪問着

だと言えば、その違和感をご理解いただけるかも知れません。

「訪問着と付け下げの違い」に悩んだ私の経験

私自身、呉服屋になりたての頃は自分でも消化しきれない問題でした。

お客様が訪問着のような柄の着物を購入しているのに、購入時点で呉服屋が「付け下げ」と呼んでいると「私の持っている着物は付け下げだわ」と思い込んでおられるのです。さらには「訪問着のような付け下げ」という言葉に、お客様がどこか引け目を感じてしまっているような気さえしました。

しかし私がこうした問題を解決するため、何度も産地の職人さんを訪ねる中で、ようやくその答えにたどり着きます。

 

【訪問着と付け下げの違い】の見分け方

訪問着、付け下げとはどんな着物か

訪問着と付け下げがどんな着物かお答えするならば、

仕立て上がった状態で、

訪問着は「豪華な柄のフォーマル着物」

付け下げは「軽い柄のフォーマル着物」

となります。「軽い柄」というのは、柄が控えめ、少なめ、そこまで格調高くない、という意味です。

ただ、この定義を見て、「そんなことは誰でも分かっているよ!」と思われる方は、まだこの答えの意味を半分もご理解頂けていないかも知れません。

もし本当にこの定義の意味を分かってくださったら、「八掛に柄がある」とか「縫い目で柄が繋がっている」とか、「胸、肩の柄が繋がっている」、「販売されている時、絵羽が訪問着で、反物は付け下げ」ということを一切言ってはいけないのです。

 

訪問着と付け下げを見分ける唯一のコツ

二十八の考える訪問着と付け下げの見分け方はとても簡単です。

[パッと見て、豪華ならば訪問着、軽い柄ならば付け下げと判断する]

じっくり見て判断してはいけません。もちろん9割の訪問着には八掛に柄があるかも知れませんが、そこを判断基準にすると迷います。パッと見てというのが大切です。

 

訪問着と付け下げをユーザー目線で考える

訪問着と付け下げについて、ユーザーの方がどれだけ説明を聴いてもしっかり理解できない理由は、説明をする呉服屋がユーザー目線ではないからです。

販売の前後で訪問着と付け下げの定義を変えるべき

呉服屋は着物の形で販売されている絵羽(えば)という商品を訪問着と呼び、反物で販売されている商品を付け下げと呼んでいます。しかしながら、絵羽でも軽い柄付けがされていますし、反物でも豪華な柄付けがあるわけです。また、絵羽を染める職人のレベルが高いという訳でもありません。

ですからユーザーが購入し仕立て上がった時点からは、豪華なフォーマル着物を訪問着、軽めのフォーマル着物を付け下げと呼ぶべきです。

 

仕立て上がった状態で判断

ご自分の着物について、購入時点で絵羽だったか反物だったかは忘れてください。それと呉服屋がどのように呼んでいたかも忘れてください。ユーザーの方にとっては、「仕立て上がった状態で」ということが大事なポイントとなります。

例を挙げるならば、もし結婚式に招待されて「訪問着で」と言われたら、それは「豪華な着物」を求められているわけで、決して「絵羽で販売されていた着物」を求められているのではないのです。

また、茶道の先生から「付け下げで」と言われたとしたら、その先生はお茶室でお客様をお迎えするのに相応しい「ちょっと控えめな着物」を求めているわけであり、「販売される時に反物だった着物」を求めているわけではないのです。

ご自分のタンスの中に入った状態で判断できる「着物の豪華さ」を判断基準に、TPOに合うかをご検討ください。

 

まとめ

訪問着と付下げの違い、いかがだったでしょうか。

「いやいや、さすがに簡単すぎませんか?」という声さえ聞こえてきそうですが、真実であるほどシンプルに聞こえてしまうものです。

仕立て上がった状態で、

訪問着は「豪華な柄のフォーマル着物」

付け下げは「控えめな柄のフォーマル着物」

 

人が着ている着物を、いちいち八掛に柄があるかないかと確認してから、「あぁ、あなたが着ているのは訪問着ね」と言うのはちょっと変な感じがします。パッと見てわかることが社交の場では大切であり、上記のことを基準に「訪問着と付け下げの違い」を見分ければ、着物選びで失敗することは少なくなると思います。

以上、着物を愛する皆さんのご参考になれば幸いです。

 

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

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