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しきたりColumn

【結婚式の振袖】花嫁さんと「かぶる」ことを心配し過ぎないで!京都の呉服屋が解説!

結婚式に、色打掛で庭先に佇む花嫁さん

結婚式のお呼ばれ、「成人式の振袖を着ても良いの?」「花嫁さんと同じ色の振袖はマナー違反?」など、ご友人の大切なイベントだけに悩む人は多いもの。

まず結論をお伝えするならば「基本的にどんな振袖を着ても大丈夫」です。

ただ、なぜ皆さんが結婚式での振袖について、そうした心配をしてしまうかといえば、呉服業界人と着物好きであるユーザーが大切にしてきた「しきたり」があるからです。

そうした根拠を知った上で、時流の変化に合わせて「基本的にどんな振袖を着ても大丈夫」と思えれば、いっそう自信を持って振袖を着られることは間違いありません。

なお、本記事では京ごふく二十八の代表である原が、東京・京都で呉服屋として仕事をしながら「ベテランの呉服業界人や着物研究家の先生にヒアリングした膨大な情報」をベースに説明していきます。

さらにそうした見識を持ちながら、私が様々な結婚式にも参加して考察した「現段階での集大成といえるエッセンス」をお伝えしたいと思います。

きっとこの記事を読んでいただけたら皆さんも自信が持てるはずです。

結婚式に「振袖」で参加しても良いのか?

結婚式にゲストとして招待された際、やはり悩んでしまうのが「どんな服装でのぞめば良いか」ということ。結婚式に参加する場合、洋服ならば「パーティドレス」、和服ならば「振袖・訪問着・色留袖」などが候補になります。

その中でも未婚女性が選ぶべき和服は「振袖」です。

花嫁さんがお色直しで振袖を着用することもあるので、かぶってはいけないと振袖を着て良いか気にする女性もいるようですが、まったく問題ありません。むしろ新郎新婦のご家族には、ご友人であるあなたが振袖を着ることを喜ばれるケースが多いと思います。

もちろん花嫁さんに「振袖を着ようと考えている」ことは伝えておくと良いでしょう。結婚式の主役である新郎新婦とそのご家族、とりわけ新婦の意向にそった和装・洋装をすることが第一です。

もし新婦がゲストに洋装を望むならば、「結婚式では振袖を着ても良い」という一般論は関係なく、洋装にするべきです。

このあとは結婚式での振袖について、袖丈に注目してお伝えします。

振袖は袖丈の長さによって3種類に分かれます。

本振袖(ほんぶりそで):袖丈3尺(約114cm)

中振袖(ちゅうぶりそで):袖丈2尺6寸〜2尺7寸(約99〜102cm)

小振袖(こぶりそで):袖丈2尺(約76cm)

本振袖(大振袖):結婚式でも問題なし

振袖を着用している女性

振袖は袖丈の長さによって3種類に分かれますが、基本的にはどの長さの袖丈を結婚式に着ても問題ありません。

ですから本振袖ももちろん着用OKです。本振袖は略して「本振り(ほんぶり)」、別名「大振袖(おおぶりそで)」などともよびます。

現代の呉服店で販売する振袖は「本振袖」しかないので、お母さま・おばあさまの振袖でも持っていない限り、中振袖・小振袖の選択肢はないでしょう。

「本振袖をゲストが着ると、花嫁さんと同じ袖丈の長さになってしまうので着られない」という人はあまりいないと思いますが、本振袖しか販売していないのですから、これはまったく気にする必要はありません。

ちなみに本振袖が主流となったのは、呉服業界の製造・流通上の都合であり、本当は短い袖丈の中振袖・小振袖もあれば、花嫁さんとの区別がわかりやすかったかもしれません。

また、花嫁さんが着用するのは基本的に白無垢や色打掛であり、振袖とはまったくスタイルが異なりますから、袖丈だけで区別できないようなことはありません。お色直しで振袖を着ることもあると思いますが、「引き振袖(引きずり)」といって裾を床に引きずるような着付けをします。裾を長く着付ける分だけ、柄も普通の振袖より多めにデザインされていますから、その点でも振袖とはやはりちがいます。

それでも花嫁さんが「普通の振袖を、一般的な着付け方で」着用する可能性もゼロではないので、繰りかえしになりますが、念のため振袖を着ようと思っていること、自分の振袖の色柄なども早めに伝えておくと安心です。

中振袖:結婚式でも問題なし

中振袖(ちゅうぶりそで)は袖丈約99〜102cm(2尺6寸〜2尺7寸)のものを言います。昔はとにかくこの中振袖が1番メジャーな振袖でした。身長が現代に比べて低かったということもあるでしょう。

結婚式などでもゲストは中振袖を着て出席するのが一般的でした。現代は逆に中振袖で結婚式に出席すると自分だけということで気になるかもしれませんが、12〜15cmほどの差ですから、気づく人も少ないと思います。

実は、80年代に比べて「現代の方が成人式での振袖着用率は高い」と言われています。昔の方がよく着てそうなものですけれど、これは90年代以降、呉服のチェーン店やレンタル店が利幅の大きい振袖商売に励んだ結果でもあり、先にも書いた通り、その結果として主流であった中振袖はなくなり、本振袖だけが残っています。

中振袖がなくなった経緯を考えても、結婚式で中振袖を着て問題ありません。

私が教えて頂いた着物研究の先生は、振袖のことを時々「中振(ちゅうぶり)」とよんでいました。そのぐらい中振袖が昔は振袖の代表格だったといえるでしょう。

小振袖:結婚式でも問題なし

小振袖(こぶりそで)は袖丈が約78cm(2尺)で、本振袖・中振袖に比べると袖丈が短く感じる振袖です。

しかしながら、袖丈が短かったとしても小振袖を結婚式に着てまったく問題ありません。

本振袖に比べるとどうしても華やかさはおとって見えてしまいますが、「袖丈の長さだけ」で極端に格が下がるということではないのです。むしろ「どんな柄が、どんな技法で染められているか」「フォーマル度の高い帯・小物でコーディネートしているか」ということが格調高さには影響します。

私の見解ですが、シチュエーションによっては未婚女性が訪問着(袖丈49cm)で結婚式に出席しても問題ないと考えていますから、袖丈が他の振袖より短い「小振袖」での出席も当然大丈夫だといえます。

振袖を着るということは「未婚女性であることを自然に周囲へ伝える」メッセージにもなります。小振袖はそれが少しわかりにくいだけに、まだ華やいだ装いをしたい20代の“既婚”女性が着るのも良いかもしれません。

そのほかにも本振袖が大げさ過ぎるようなシーンでは、小振袖がむしろ気の利いた装いにもなるでしょう。

振袖は袖丈の長さによらず、結婚式で着用できます。

結婚式に参加する既婚女性におすすめの和服(着物)は?

貝合わせ柄の訪問着を結婚式で着用する女性

振袖についてくわしく説明してきましたが、振袖は未婚女性の第一礼装ですから、結婚式で振袖を着用できるのは未婚女性だけ。

既婚女性は振袖ではなく「黒留袖・色留袖・訪問着」などの和服で装います。

「黒留袖」を結婚式で着用できるのは?

まずは既婚女性の第一礼装である黒留袖について説明します。

黒留袖は新郎新婦の親族だけが着用できる和装です。とりわけ新郎新婦の母親が和装をするならば、かならず黒留袖が選びます。万が一、新郎新婦の母親が黒留袖でなく色留袖や訪問着を装おうとするならば、ドレスなどの洋装にしておいた方が無難かとも思います(もちろんシチュエーションによるのですが)。

また、結婚式に招待された親族ではないゲストは、既婚女性であっても黒留袖を着用しませんのでご注意ください。

「色留袖」を結婚式で着用できるのは?

色留袖は既婚女性であれば、誰でも結婚式に着用できます。ただし、立場や結婚式の会場・雰囲気によって注意するポイントはあります。

 

親族として結婚式に「色留袖」を着る場合

実は「色留袖・黒留袖」の考え方は、地域や個人によってことなります。

例えば関西(西日本)では親族まで黒留袖を着用する場合が多いですが、関東では新郎新婦の母親だけが黒留袖を着用し、親族は色留袖や訪問着を着ることもしばしば。関東(東日本と言って良いか私はわかりかねます)では華やかに装う傾向があるといえるでしょう。

ただし、関東・関西の傾向も一般論であり絶対的なものではありません。事前に両家の親族同士で確認しておくと安心して和服を装えます。

 

招待客として結婚式に「色留袖」を着る場合

色留袖は親族ではないゲストであっても着用することができます。

ただし、それなりに格調高い結婚式でなければゲストの色留袖はかえって格が高すぎることもあるので注意してください。何しろ、近年は結婚式のカジュアル化により、レストランウェディングなども増えています。親族どころか新郎新婦の母親でさえ留袖を着ないケースもありますし、親族が黒留袖・色留袖を着用していないケースで、ゲストが色留袖を着るのはちょっと重すぎる装いとなってしまいます。

また色留袖に入れる家紋についても考えておきましょう。

もし色留袖がふさわしい結婚式であったとしても、「五つ紋・三つ紋」どちらがよりマッチした色留袖の装いになるでしょうか。昔は五つ紋での参加も一般的であったと思いますが、近年はよほど格調高い結婚式でもない限り、来賓でもないゲストが五つ紋を着用することは少ないかと思います。シチュエーション次第なので断言できるほどでもないのですが、三つ紋ぐらいまでにしておかれると無難です。

一つ目安になるのは、仲人を立てるような結婚式で、仲人が黒紋付袴・黒留袖を装っているようであれば、上座に座るゲストが五つ紋付の色留袖を着用していて良いと考えられるでしょう。

 

・振袖は未婚女性の第一礼装。既婚女性は黒留袖・色留袖・訪問着を選ぶ。

黒留袖を着るのは親族のみ。

親族として黒留袖・色留袖を選ぶかは地域差もあるので注意。関東は色留袖や訪問着、関西は黒留袖の傾向。

ゲストも色留袖を着用できます。ただし結婚式がカジュアル化しているので、親族とのバランスをとることが大切。三つ紋・五つ紋にも心くばりを。

ゲストとして間違いないのは「訪問着」

若松柄の訪問着を結婚式で着用する女性

つづいて結婚式におすすめする和装は「訪問着」です。

黒留袖・色留袖が既婚女性の第一礼装であるのに対して、訪問着は「未婚・既婚」「親族・ゲスト」をとわず着用できることがポイントです。

未婚で活躍する女性が多い昨今、30代・40代で振袖が派手に思えてきた時には、「訪問着」を結婚式に着用する和服の第一候補としてください。余談ですが、既婚の親族として訪問着を着用する場合は、他の親族とのバランスを考えて選んで着用する必要があります。他の親族が全員黒留袖なのに、一人だけ訪問着では浮いてしまいます。

振袖は、未婚女性が結婚式へ出席するにあたって間違いない装いです。

ただ、それに対して「既婚女性はゲストとして色留袖を着ても良い」からといって、近年のカジュアル化した結婚式事情をかんがみると色留袖はフォーマル過ぎる場合もあるので着用すべき結婚式を選びます。そう考えた時に訪問着であれば、たいていの結婚式では間違いない装いで安心できるでしょう。

ちょっとわかりにくい説明だったかも知れないのですが、「振袖に対する許容範囲が広い」ということはあまり知られていない事実です。「振袖」は未婚女性の第一礼装であり、本来これに並ぶ格の着物は「五つ紋の黒留袖・色留袖」です。
ところが、黒留袖・色留袖はより着用シーンをシビアに選ばなければなりませんが、振袖はレストランウェディングぐらいであっても、周囲からそんなに違和感を持たれません。振袖は若いから良しとして、やはり色留袖を着るぐらいの方々になれば豊かな人生経験をもとに着物を選ぶ必要があるということでしょう。
理屈で考えると第一礼装である振袖には家紋が入っているべきですが、そんな振袖はほぼ作られていません。その意味ではまだ大人の入り口に立ったばかりの新成人には優しいのだといえます。
個人的にもっと突っ込みたいのは成人式や大学の卒業式です。正直、あのぐらいの格式のイベントならば、豪華な振袖まで着なくても、色無地や付け下げ、訪問着ぐらいで十分ですし、江戸小紋でも大丈夫かも知れません。何しろ同年代で騒いでいるばかりのイベントになっていますし、男性の装いを見れば確かに黒紋付姿も見かけますが、リクルートスーツみたいな姿が大半ですから振袖とのバランスを考えるとチグハグな印象です。振袖に釣り合う洋装なら成人式で男性はモーニングを着るべきです。燕尾服は夜の礼装、タキシードは夜の準礼装なので成人式・卒業式とは時間帯が異なります。男性の黒紋付も重すぎる装いなので、本当は成人式に男性はお召しの着物と羽織、縞の袴を作って着用するのがその後、長く使えてベストです。成人式もやって良いと思いますが、成人のお参りとして、七五三のように神社へ参拝することが定着しても良いかもしれませんね。
よくもわるくも成人式や卒業式が振袖だらけになったのは、当然ながら呉服業界の見識の問題です。私自身、振袖がちょっと重すぎる着物であると思っているにもかかわらず、「成人式の着物を」と言われたら振袖をおすすめしてしまうことには、やはり「皆んなと同じ」ということがどれだけ強烈な力を持っているかを物語っているといえるでしょう。

話を戻して、長い目でみて、幅広いシチュエーションを考えると、結婚式以外でも非常に使いやすい着物が「訪問着」だといえるでしょう。色留袖は非常に格調高いので、パーティや子供の行事ごとなど、なんでも着られるという着物ではありません。その点、訪問着ならば結婚式以外にも使える場面は多いかと思います。

さて、少し話はかわって結婚式に出席する訪問着の家紋と聞けば「染め抜きの一つ紋を入れておいてください」というのが呉服屋の模範解答。

ただ、近年は豪華な訪問着であっても家紋を入れない傾向にあります。さらに社会全体が「家を代表する」ということを重視しなくなっていること、家紋をつけることに重苦しい感覚があることなどを考えての柔軟な判断が必要です。今の時代、呉服屋が「これが正しい!」と言い切れることは少なくなって、その都度、柔軟な提案が必要だと思います。

それでも当然のことながら家格や立場によって家紋が必須となる方はいます。茶道などのお稽古ごとをする人も家紋は必須です。格式ある結婚式やパーティへの参加が多いならばきちんと一つ紋を入れておきましょう。

 

ゲストの既婚女性にとって、もっとも使いやすいのが訪問着

振袖が年齢的に少し派手に思えて着たら「訪問着」がおすすめ

訪問着は色留袖に比べて結婚式以外でも使いやすい。

訪問着は「染め抜きの一つ紋」を入れておくのがベスト。ただし家紋なしという人も増えている。

着物(色留袖・訪問着)の地色は「薄い色〜中ぐらいの濃さ」なら安心 「濃い地色」もOK

結婚式や披露宴に参加する場合、着物の色が気になるという人は多いことと思います。

こちらも結論を書けば、「どんな地色(ベースカラー)でもOK」です。

結婚式に限らない最近の傾向をいえば、無難な色の代表は「薄い色」です。よくあるのはピンク、クリーム、水色などで、こうした色が増えた背景には着物をあまり着なくなったため、「何にでも使いやすく」「帯合わせなどのコーディネートも簡単」「人の記憶に残らないこと」が好まれた結果だと思います。

では、中ぐらいの濃さの色や、濃い色、さらには黒が結婚式にダメかといえば、そんなことはなく、結婚式でも着用できます。ただ、濃い色・黒については少し覚えておいていただきたいことがあります。

何かといえば、薄い色の着物が増えているだけに濃い色や黒の着物というのは「目立つ色」であるということはいえるでしょう。それを良しとできるかどうかは着る人によりますし、濃い色は本当のことをいえば「着物で場数を踏んだ人」におすすめしたい色です。「これで大丈夫かな。。。」とおっかなびっくり着るのでは素敵に着こなせないと思います。自信さえ持てれば本当に素敵な装いです。

そんな濃い色でもちょっと注意したい例をあげると、「濃紺の色留袖」を着用した場合、白熱色のライトの下では黒と濃紺は見分けがつきません。そうなると一見、「黒の留袖」を着ているように、つまり「親族であると見られてしまう」可能性はあるかもしれません。濃い地や黒地の着物であれば、胸にしっかり柄がある訪問着などを選ぶ方が、黒留袖との差は一目でわかります。

結婚式のゲストとして着物を着るときの5つの注意点

では結婚式に和装で参加する際、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。

次は着物を着るときに気を付けたい、5つの注意点&マナーを解説します。

注意点1.着物が合う雰囲気か・主催者が着物を喜んでくれるか確認しよう

結婚式で着物を着用するときに、なによりも重要となるポイントは「参加する結婚式の雰囲気にマッチするのか」「主催者が着物着用を喜んでくれるか」です。
正直、結婚式に限らず、「着物選び」はこの話に尽きると思います。

近年の結婚式がカジュアル化していることを考えると、参加者にそこまでのドレスアップが求められないこともあるでしょう。これは極端な例だと思いますが、花嫁が和装はもちろんのこと、純白のいわゆるウェディングドレスを着用しないような結婚式だった場合、あなたが可愛らしい振袖を着用すると、あなたの方が目立ってしまうかも知れません。着物は、着ている種類によってその立場をあらわす衣類です。つまり、相対的に装う着物を選ぶことになるので、盛大な式であれば参加者も精いっぱい華やかに装うべきですし、アットホームな雰囲気の式ならば花嫁を引き立てられるぐらいに少し控えめな装いをするということが大切になるのです。

ちょっと難しいようなことですが、ここが「相手を思いやる文化の表現」です。
「自分が着たい服を自己表現として着る」のではなく、「着物は共有物であり、その場を一緒に過ごす人のために装う」ことを心がけるとうまくいきます。

注意点2.花嫁さんの「和装の色」は気にしすぎなくてOK

結婚式で色打掛を着た花嫁さん

あなたがゲストとして結婚式に出席する際に着る振袖の色は、おおむねどんな色でも構いません。

黒や白などの振袖を着ていって良いのかと、振袖の色を心配する方は多いと思いますが、TPOや自分の立場、花嫁さんのお気持ちにおもんぱかりながら選びさえすれば、どんな色でも問題ないといえるでしょう。

白い振袖を着てはいけないのか?

まずよく言われるのが「白い地色の振袖はダメ」ということ。これは白というのが花嫁の純潔をあらわすため、白無垢に使われているので、白い振袖は花嫁さんと色がかぶるのでよくないという説。しかしながら、花嫁衣装である白無垢は打掛を羽織ったりして、振袖とはスタイルが異なるため、かぶっているという印象は持たないと思います。特に白無垢が真っ白な無地なのに対し、振袖にはたくさんの柄が染められていて派手ですから、そこでも自然と区別されます。

黒い振袖を着てはいけないのか?

続いて「黒い地色の振袖はダメ」という説。これはおおむね明治から昭和時代にかけて、黒い引きずりの振袖を花嫁衣装として着用したことによるルールなのですが、現代のお色直しにおいて、花嫁さんが必ず黒の引きずりを着用するわけでもありませんし、たとえ黒を着用していたとしても引きずりスタイルで、角隠しや箱せこ、しごき帯などを着用しているでしょうから、成人式スタイルの振袖姿とはやはり格が違います。よって黒も特に問題ないと私は考えています。

黒の引きずりを着る花嫁さんが少なくなって、お色直しで色打掛を着用するようになった以上、もし色かぶりを気にするのであれば、黒や白に限らず、全ての色がかぶる可能性はあります。あなたの振袖が赤でも青でも花嫁さんの色打掛とかぶる可能性はあるわけですから、特別、黒や白だけを気にする必要はないといえるでしょう。

 

もう一つ別の理由として、年齢によって色が気になりはじめるということもあるかも知れません。最近では未婚で30代というのは当然のことなっていますが、着物のことに詳しい人の中には「成人式の時に着た真っ赤な振袖ではちょっと恥ずかしい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。ただ、周囲はそこまで気にしないと思いますし、結婚式場ということを考えれば多少派手な振袖でも問題ありません。
とは言いつつ、気になる人は気になると思いますので、少し落ち着いた振袖をご用意されるのも一つの方法です。それは店頭に並んでいるような振袖にはありませんが、その後、袖を切ったら訪問着になるような振袖にされると長く楽しめるものと思います。他にもレンタルをするなども手段かも知れませんね。

注意点3.親族の結婚式なら「付け下げ」はやめておきましょう

付け下げで神社の前にたたずむ女性

親族として結婚式に参加する場合、一般論として「付け下げでは格が低い」のでおすすめできません。

結婚式の親族が着用する着物は、黒留袖・色留袖・訪問着が中心となります。親族の方々が黒留袖・色留袖を着用している中、あなたが一人だけ付け下げを着用したのではバランスが悪いでしょう。
これは一般的な結婚式ではないですが、ご親族だけでのお披露目を兼ねたお食事会のようなカジュアル形式であれば、親族といえど控えめな装いになるでしょうから付け下げも選択肢に入ってきます。

「付け下げ訪問着」と呼ばれる着物はどうかという話がよくありますが、販売されていた時に反物で売られていたかどうかは関係なく、着物に仕立て上がった状態で豪華な柄なのか、控え目な柄なのかで結婚式にふさわしいかを判断します。豪華な柄であれば訪問着として着られますし、控えめな柄であれば付け下げとジャンル分けされます。

この項目では、「どんな着物を付け下げと呼ぶか」が非常に大切です。より深くご理解になるためには、こちらの記事を参考にしてください。

訪問着と付け下げの違いについて
決定版!【訪問着と付け下げの違い】を見分ける超絶カンタンなコツ!

付け下げ訪問着とは
初心者が必ず悩む【付け下げ訪問着】とは!?京ごふくのプロが解説!

注意点4.柄(模様)の意味にも注意しましょう

貝合わせ:結婚式の着物には吉祥文様を選びましょう

結婚式の着物には「吉祥文様」を選ぶようにしましょう。そもそもこうした場で着用される留袖・色留袖・訪問着や袋帯には吉祥文様がデザインされています。この柄によって格調を高めることができるからです。

そんなことはないと思いますが、まちがっても仏事にまつわる「ハスの花」や「夢という文字」の描かれた着物や帯は着用しないでください。

これも珍しい例ですが、沖縄では絣(かすり)で表された柄や、首里織などの花織柄は、琉球の歴史の中で高貴な柄とされているものがあります。こうした話を呉服屋が拡大解釈してお客様に「結婚式でも着られますよ」なんて言う人もあるかも知れませんが、それはやはり沖縄の地域限定ルールとした方が良いでしょう。

もし季節限定の訪問着や色留袖がある場合は、せっかくの機会なのでぜひ着てください。季節を先取りして、本物の花が満開になる手前までに着るのがおしゃれです。

注意点5.髪型は清潔感が出るようシンプルにまとめよう

着物選びも大切ですが、髪型も非常に重要なポイント。

コーディネートされたかんざしを使うなどおしゃれのポイントはありますが、何よりも清潔感ある髪型にすることが大切です。そのために重要なことは、どこの美容室に頼むかです。振袖や色留袖といったきちんとした着物を着こなすためには、やはり昔ながらの美意識を持った美容室が一番良い雰囲気に仕上げてくれると思います。そうした美容室、美容師さんとは長くお付き合いできると豊かな着物ライフを送れます。

結婚式にはぜひ振袖で!着物で結婚式を華やかに盛り上げよう

せっかく成人式で誂えた振袖があるならば、ぜひとも結婚式に着て行きましょう。むしろ結婚式が一番の着る機会です。そこを逃す手はありません。

先に書いた通り、結婚式で振袖を着ることも、どんな色の振袖であるかも基本的に問題なしです。重ね重ねになりますが、花嫁さんとご親族のご意向を可能な限り確認することだけを心がけてください。

振袖・色留袖・訪問着など、和装で結婚式に参加することは、新郎新婦やそのご親族に対して心からのお祝いの気持ちを示すこと。特に和装をするだけで、着付けをしたり、ヘアを美容師さんにやってもらったり、お金も時間も手間もかかること。それを知っている大人は「わざわざうちの結婚式のために振袖を着てくれてありがとうね」という気持ちになるものです。

心配になることもあるかとは思いますが、そうしたポジティブな面も考えて、相手を喜ばせるために振袖を着てくださいね!

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。

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