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御誂4-1 付下げ(白地 梅散らし)

付下げと言えば、こういう柄付けが本来の柄と思って頂きたいお品物です。御誂主様は聡明な大学生のお嬢様。梅柄で季節限定の着物ですので、そのお着物好きなご様子を想像して頂けるかと存じます。

さて、今回この着物には本疋田(ほんびった:京鹿の子絞りの最高峰)の生地を梅の形に縫い付け、それに合わせて摺り疋田(すりびった:絞りに見えるように、型を使って染める。江戸時代からある技法)をほどこします。本疋田は小さい目印に合わせて「指のつま先で摘まんで四つ折りにし、3回以上7回以下糸巻きをした後、引き締めをすること」が京鹿の子絞りの要件となっています((財)伝統的工芸品産業振興協会より)。巻く糸は絹糸を用い、引き締めは大体2回ぐらいしますので合計10回前後で通常本疋田と呼ばれます。私の知る範囲では、この本疋田を絞れる職人さんは日本にお一人、正確にはお一家族でしょう。今回の絞りは過去に中国の非常に上手な絞り職人さんが絞った物を、日本の職人さんが大切に持っておられた最後の一つを譲ってもらいました。サイズは帯揚げ用です。

この絞りについては様々な言及しなければならない事がありますので稿を改めます。

さて、まずは下絵ができましたので簡単ながらご報告まで。草稿は作らず、白生地に直接代用青花で描いています。草稿を残さない事でまた同じ着物が作られる事が防げます。白地で梅だけの柄なんてそう簡単に販売できませんから、問屋さんは絶対に作らないとは思いますが。。。

とても可愛らしい柄に上がっています。

 

 

胸の柄です。

 

上前の柄です。

 

 

うっすらと描かれている直線は御誂主様の仕立上がり寸法で、これを基準に梅柄を配置していきます。

本疋田と摺り疋田の配置は下絵屋さんに頼む段階で決めています。合計7個の本疋田を縫い付ける予定なので下絵屋さんもそれを踏まえてバランス良い配置をしてくれていますし、柄は帯で隠れる部分まで梅やツボミを散らしています。後ろ身頃の裾まわりは、本疋田を縫い付けるとデコボコしてしまい正座した時などに気になるでしょうから、摺り疋田と挿し友禅のみ。

ご覧頂けましたらお分かり頂けると思いますが、縫い目となる直線部分では柄が繋がっていません。これについては御誂3-1に対して、今回の付下げは前述の通り付下げらしい柄付けですので、わざわざ下絵羽(したえば:着物の形に仮縫い)をする必要もありません。つまり合口で繋がる柄がないので、反物状態での下絵にしています。

 

お着物好きの方がご覧になるだけでも楽しめる付下げになりそうです。こちらの柄付けは小紋に通じるものがありまして、気軽な染帯からコーディネートできます。それでいて織りのなごや帯、袋帯まで合わせられる重宝な付下げとなることでしょう。大きい飛び柄の小紋は着物の形に仕立て上げた場合、中々柄の配置が上手く行きません。それであれば今回のように軽めの付下げとしてお作りになった方が非常にバランス良く柄を配置できてオススメです。なお総柄の着物をご所望の場合は、手描きで作ると非常に高価になりますから型染めの方がオススメです。総柄ですから当然柄の配置は考える必要もないです。

白地に梅散らしの付下げ、素敵な着物になること請け合いですので、楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

職人の後継者育成を目指し、2014年に京都で二十八を創業。京職人とのネットワーク、お客様とのコミュニケーションを通じて、世界でただ一つの着物をプロデュースできることが強み。 日々、呉服業界のグランドデザインを変えて行くために、京都、東京を中心に仕事をしています。

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京都でベンチャーの高級呉服店を経営。1980年生まれ、元海上自衛官。

Photo by HAL HOSHINO