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御誂5-1 夏の訪問着(inspired by 谷崎潤一郎)

ただいま、夏の訪問着お誂えを承っております。それもお若く優秀なお嬢様から。まだ新社会人になられたばかりですが、お着物をはじめ歌舞伎や日本文化にとてもお詳しい御方です。そしてお母様とともに谷崎潤一郎小説の大ファンとのことで、今回の御誂えとなりました。

 

私もまだ小説を読んだ事がなかったので、まずは小説を手に入れました。そして登場人物が夏の頃のお見合いに出掛けるシーンを読みましたら、「こっくりした紫地、大柄な籠目崩し、萩、撫子、白抜きの波」などと着物を表現しています。

そこで下絵職人さんとその文章を基にしてどのような図案にするか相談しながら、アタリとなる絵を何枚も描いてもらいました。

 

なかでも籠目崩しという表現は、あまり着物の世界では聞きなれないものです。籠目は写真のように連続した模様で、蛇籠などの雰囲気で夏物に使われる事が多い図案です。

おそらく籠目崩しとは、破れ七宝のように籠目が破れたような柄行か、もしくは蛇籠の中の籠目が不均一になったような柄かと想像しながらアタリの下絵を描いて行きます。

 

こうした文章から着想を得て、それを着物に染め上げていくというのも非常に貴重な経験で嬉しく思っております。これまた逸品に仕上がる予感です。現在下絵羽を済ませておりまして、年明けには下絵が描き上がる予定ですので、またご報告申し上げます!

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

職人の後継者育成を目指し、2014年に京都で二十八を創業。京職人とのネットワーク、お客様とのコミュニケーションを通じて、世界でただ一つの着物をプロデュースできることが強み。 日々、呉服業界のグランドデザインを変えて行くために、京都、東京を中心に仕事をしています。

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原巨樹(はらなおき)

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京都でベンチャーの高級呉服店を経営。1980年生まれ、元海上自衛官。

Photo by HAL HOSHINO