新型コロナ「緊急事態宣言」発出中の営業について
皆さま、いつもありがとうございます。京ごふく二十八の原巨樹です。
2020年の年初来、世界中で新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を奮っています。これに関して、京ごふく二十八の見解と取り組みをお伝えすることにより、顧客の皆さま、新たにご購入を検討くださっている皆さまに弊社の意向をお伝えしたいと思います。
今回の感染拡大にともない、まずは3月下旬の東京出張を取りやめまして、4月も上京はしない予定です。5月以降は状況を見ながら判断いたします。私自身、京都においても極力外出はひかえ、気づかぬうちの感染拡大防止に努めています。
ただ、お客様によってはご注文くださっている方々もいらっしゃいますので、そうしたお誂えの制作は通常と変わらないスピードで進めておりますし、初めての方からのご注文も承っています。
こうしたご相談において京ごふく二十八は、これまで京都から東京や全国各地にいらっしゃるお客様方と商談をしていたため、概ねのご相談はLINEやメール、Facebookメッセンジャーなどで進めることができています。下絵や色見本などの大切な部分に関しては郵便を利用するなどして、ご安心いただきながらオーダーメイドの着物もお作りしています。
2020年4月現在では人との接触を限りなく減らすことが望ましいとされており、お着物のご相談は不要不急の範疇であるでしょう。せっかくの楽しいお買い物が、かえって皆さまのリスクとならないように京ごふく二十八は慎重に情勢を見る心構えでおります。
この新型コロナが猛威をふるう数週間においても、着物を宅配で納品させていただいた何名かのお客様とのやり取りでは、
「こんな時なので、お納めは先にしましょうか」
とお伺いしたところ、
「こんな時期だからこそ、素晴らしい着物に触れて豊かな気持ちになりたい」
というお言葉もいただきました。もちろん状況や不安なお気持ちは人それぞれ違いますから、商談や納品を先にしたいという方はそのようにいたしますし、少しでも早く手元で愛でたいという方には、お喜びいただけるようなお着物を心をこめてお届けいたします。不要不急ではないものの、京友禅や西陣織を中心とした職人仕事のつまった美しい着物や帯には、見る人を豊かな気持ちにさせてくれる真の力があるように思います。京ごふく二十八もその一翼をになう者として、こんな時だからこそ、今できることに矜恃をもって取り組みたいと思います。
なにしろ、この新型コロナの影響で、2020年の呉服業界はかなりの倒産・廃業がすでに予想されています。あまり良くない業者が淘汰されるならば構いませんが、そうしたところよりも経済力の弱い職人や生産を担う分野で働く人たちへの影響が非常に心配です。
2020年4月に入って催事を中心とした呉服店の売り上げ急減がはじまっていますし、生産現場においては2017年比べて2018年の業績があまり芳しくなかった状況で、さらに2019年は2018年に比べて驚くほど生産の落ち込みが見られました。2020年、新春の京都室町における業者向け販売会も不振だったところにこのコロナの影響です。2020年の生産量は信じられないほどに激減することが予想されます。
とは言うものの、どんな大変な時でも明けない夜はないもの。
今は世の中すべての人が、他人との接触を避けるという自粛をすべき時。これは東日本大震災の時によく似たムードかと思います(私は当時、東京にいました)。ただ、一つ異なると感じるのは、感染拡大に繋がらないことであれば経済活動を萎縮する必要は全くないということ。その観点でいえば、京ごふく二十八はまず、世の中が元気を取り戻した時に備えていくつかの取り組みをしたいと考えています。
1.これまで見たことがないような新しい着物や帯を作る(職人に仕事を発注するという価値もあり)
2.同じく新しい帯揚げを生地の発注から、新しいデザインと色で染め出す
3.インスタグラム・Facebookの更新、ホームページの商品情報掲載・情報の充実
4.Youtube動画の制作とウェブセミナーの実施。本当は4月からリアルセミナーを予定していたのですが、この情勢なのでウェブセミナーに切り替え
下に書くのは、お客様に教えていただいた小唄の文句。
〽︎しばらくは 時世(トキヨ)時節とあきらめしゃんせ 牡丹も菰着て冬ごもり
大変な時期というのはありますが、悪い時もずっと続くことはありません。また世の中が落ち着いてから、皆さまのお元気な笑顔が拝見できますことを楽しみにしています。
京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。
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