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収納・保管Column

ご購入後のお取り扱いについて

いつもありがとうございます。

こちらの記事ではご購入いただいたあとのことについて少しご説明いたします。

しつけ糸をはずす

仕立て上がったお着物や長襦袢には、しつけ糸がついています。しつけ糸というのは、生地のおもてに見えている「縫う間隔の長い白い糸」のことです。

見えている部分を30~50センチぐらいでカットして、糸を引っ張ると綺麗に抜けます。糸の端っこは玉留めされていますが、京ごふく二十八ではこの玉留めをおもてに出すようにしているので、玉留めも綺麗に外せます(一般的なしつけ糸は玉留めが裏地との間に隠れているため、単衣でもない限り玉留めは中に残ったままとなります。呉服店の好みによるものです)。

道具としては「糸切りハサミ」がお薦めですが、小さめの小回りがきくハサミであれば問題ありません。

【注意点】

・絶対に生地を切らないこと。

・仕立てている縫い糸を切らないこと。

どうしても難しい場合や、すぐご着用となる場合は、京ごふく二十八にお申し付けいただければ納品前や、納品時点でしつけ糸をはずさせていただきます。

着付け・着用方法

女性の着付け、着用方法についてお困りの場合は個別にご相談ください。

男性はちょっと練習すればすぐに着られるようになると思います。店性の着用方法について、初めての方には動画でご紹介いたしますので、こちらもお声かけください。

着用中

いろいろな注意点はありますが、立ち居振る舞いは基本的に着物が教えてくれます。

・お食事中、手を伸ばす時には袖底を汚さないようにご注意ください。

・袖口がドアノブ(特にL字型のもの)に引っ掛かってしまうことがよくあります。ひっかけると仕立ての糸が切れてしまうのでご注意ください。着物を着始めた頃は誰しも経験します。

・男性の場合、衿元がはだけて来た場合には、角帯より下から中に手を入れて長襦袢、着物の順に衿先を引っ張ります。よくはだけてしまう場合は衿留めを使います。

・万が一、汚してしまった場合も、なるべく触らずそのままクリーニングに出してください。ティッシュを「こより」のようにして、表面についた汚れ部分を吸い取るぐらいは大丈夫です。

・絹の特徴として、濡れた状態でこすると繊維が毛羽立ってしまい、色が白くなったように見えてしまうということがあります。一度繊維が毛羽立ってしまうと直すことができないので、くれぐれもご注意ください。ハンカチやティッシュで叩いて綺麗にしようとする方もいますが、これも微細なレベルで見ればこすっているいるのとあまり変わらないので、繊維が毛羽立つ可能性があります。

着用後

着物を着用した後は、直射日光が当たらない風通しの良い場所で小干し(さぼし)をしましょう。着物用ハンガー、なければ普通のハンガーなどに掛けて、湿気を飛ばしつつ、着物の自重でシワを少し伸ばします。

また、この時に汚れがないかといった着物の状態をチェックしましょう。

半日〜1日ほど小干しをしたら、着物を畳みます。畳み方などは動画を見ることに譲りますが、考え方としては、次に使う時にすぐ使えるよう、きちんと畳んでおくことが大切です。衽(おくみ)線や背中側の衿部分など、最初についている折り目通りに畳んでおけば、余計な折り目がつかず、着用しても綺麗に着られます。「折り目正しい人」というのはまさしくそうしたことから名付けられたのでしょう。

保 管

なるべくお納めした時の平らな状態で保管してください。ハンガーのようなものにずっと吊るしていると、シワがついたり、仕立てのバランスが崩れてきます(スーツは丁寧な仕立てでもミシンを使っていると思いますが、着物は全ての縫い目を手縫いで仕立てています。縫い目をよく見てくださると人の手仕事が感じられるはずです)。

防虫剤などは、成分によって女性用帯の銀糸などが変色してしまうこともあります。使わずにすむなら使わなくて良いと思いますが、使う場合も着物用として販売されているものをご使用ください。なお、直接着物に触れるような置き方ではなく、着物はたとう紙に入れ、防虫剤はタンスの引き出しの隅っこなどに入れるのがおすすめです。

たとう紙(着物の保管用紙)に入れておいてください。たとう紙も長く使っていると汚れたり、カビが生えたりしてきますので、お手入れのタイミングなどで交換します。

湿気がこもる場所に2〜3年など、長く保管しているとカビが生えたり、生地に縮みが出て仕立てがくるってきます。

着物の着用がない場合、1年に1回でも良いので、晴れの日が続いて空気の乾燥した日に、虫干しをすれば良い状態が保てます。

それ以上に、1年に何回もご着用くださるのが着物にとっては一番良いことです。

クリーニング(お手入れ)

着物のクリーニング(「お手入れ」などと呼びます)は、着物専門の業者にお任せください。洋服専門のクリーニング店は、大きな企業であっても着物クリーニングのノウハウがないので、風合いが変わったりする恐れがあります。

着物専門のお手入れ業者や呉服店に持ち込まれても、「丸洗い・いき洗い」などというドライクリーニング(揮発洗い)を薦められることがよくありますが、京ごふく二十八では基本的にはお薦めしません。仕立てや風合いを保つためです。

京ごふく二十八では着用でついた「シミ落とし・汗取り」を中心にお薦めしています。丸洗いは必要な場合に限り作業します。

顧客の皆様には、京ごふく二十八でお買い上げいただいた商品はもちろん、それ以外のお手持ちのお着物についてもクリーニングはお任せください。お伺いした際にお預かりもいたしますし、二十八でいつも頼んでいる京都の職人を直接ご紹介もしています。

クリーニングに出すタイミングは、着用状況によりますが、基本的には下記の通りです。

・すごく目立つ汚れが付いてしまったという時はすぐに出す

・通常の着用汚れ程度(衿・袖口)であれば、シーズン終わり、袷(冬)の着物は5月末以降、夏物は9月、単衣は10月あたりに出せば一番経済的です。

・シーズン中であっても、もうしばらく着用しないだろうと思えば、すぐにお手入れに出して構いません。

・綺麗に着用していれば、何年もお手入れが必要ないということも可能です。どのぐらい綺麗に保っておきたいかというのは着物オーナー様のお気持ちによります。毎週のように着用していれば、その都度クリーニングとも思いませんし、何年かに一回という着用頻度でしたら、その都度のクリーニングでも構わないかと思います。

私がお世話になった着物の先生は、初めての着物をお手入れに出すのは4〜5年後だとおっしゃっていました。それだけ着用に際しては汚さないように注意しているとのことでした。それも汚さないことが習慣になっていれば苦労はないとのことで、そうした境地を目指したいものです。

まとめ

総論を申し上げれば、「お困りになったらいつでも京ごふく二十八にご相談ください」ということです。着付け、保管方法、お手入れ、コーディネート、TPO相談まで、LINEなどでメッセージをいただけましたら、いつでもお答えいたします。

皆様が楽しく、豊かなお着物ライフをお送りいただけたら、京ごふく二十八としても嬉しい限りです。

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)

京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。

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