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【急募】気骨ある呉服屋さん

2017/08/23

「うちは最高級の手描き京友禅だけで勝負してるんだよ!」と自信がある呉服屋さん。大変に申し訳ないのですが、あなたのビジネスは、インクジェットプリンターで作った振袖セットを販売するNCのお店に負けていると思います。

※NC(エヌシー):ナショナルチェーン、全国に展開する呉服屋さん

 

【ご注意:今回のブログは同業の呉服屋さん向けに書いております。】

 

のっけから生意気なことを書いてしまい、本当に申し訳ありません。でも実際、そんな現実を突きつけられると悔しくないでしょうか?

私も自分では商品に対して非常に矜持ある呉服屋だと思っています。糊糸目だけの京友禅で、一つ一つの工程を最高のベテラン職人さん達にお願いして、お客様からの受注に応じて図案を描くところからお作りする最高のオーダーメイドの京友禅をお届けしているからです。

 

しかしながら、確かに単品同士を比べればどんなお店に対しても圧倒的高品質で勝てると思いますが、廉価な商品を売ってたりレンタルしたりしているお店の方がビジネスとしては明らかに上手くいっています。地域(東京、京都含め)に根ざした気骨ある呉服屋さんの売り上げ、それも糊糸目の最高級友禅だけの売り上げは、合計すると果たして幾らぐらいなのでしょうか。

 

家族経営、悪くないです。でも結局それ以上のビジネスに育て上げられないだけではないでしょうか。私なんて株式会社にはしていますが、3年経ってもまだ一人で商売をしているレベルです。

 

どんなに家族経営されている呉服店の商品が立派でも、NC各社のビジネス規模、商売のセンス、資金力というビジネスの側面において、家族経営の呉服店はNCに完敗です。とりわけNCトップのY社、Y社長には経営者として誰も勝てていないのが呉服業界の現状だと思います。売り上げランキングにおいてもそれは顕著で、NC、LC(ローカルチェーン)の呉服屋さんが軒並み上位を占めています。

※LC(エルシー):ローカルチェーン。ナショナルが全国であることに対して、地域にチェーン展開する呉服屋さん

高級呉服店を自負する皆さんがどんなにうそぶいても、ビジネスパーソン、経営者としてNCの素晴らしい経営者の皆さんに負けていると言わねばなりません。

 

 

でも、、、果たしてこのままで良いのでしょうか???

 

 

 

 

 

京ごふく 二十八の自己紹介

私は京ごふく 二十八(ふたや)の原  巨樹(はらなおき)と申します。冒頭のような書き方は全く本意ではなく、失礼なことを申し上げました。不躾な書き方をして、改めまして心より深くお詫び申し上げます。

でも、なぜに誠実な呉服屋さんの方がビジネスとして上手く行っていないのでしょうか??

これは日々、私が非常に大きなストレスを感じている問題の一つです。何故ならばきちんとした商品を売っている呉服店が、NCぐらいの販売力を持てば、現状の職人後継者問題などもかなり改善すると考えるからです。

 

私は現在、京都でベンチャーの呉服屋をやっておりまして、起業から3年が経ちました。

私は1980年、大分県の生まれで、高校卒業後は神奈川県にある防衛大学校から海上自衛隊に入隊という経歴です。初めて着物を買ったのはまだ海上自衛官の頃で、広島の呉服屋さんで購入しました。その後、20代の後半でもかなりの金額を着物に費やしながら、それと同時に全国の着物の産地などを回るようになって行きます。

その中で、職人さん達の技術やプライドに感銘を受けると同時に、そうした職人さん達があまりに安い賃金で着物や帯などを作っていることに衝撃を受けました。そしてなぜ、そのようにして作られた着物や帯が、小売店ではあまりに高い金額で販売されているのか。本当に不思議でしょうがありませんでしたし、呉服店で様々な質問を重ねてもきちんと答えられる人はおらず、ストレスを感じるばかりでした。職人さん達は時給で50円、100円、200円という相場感の賃金しかとっていません。全ての着物産地において「高齢化が進んで、職人の後継者ができない」と嘆いていました。私にとっても大好きな着物を作ってくれる職人さん達の現状を考え、こうした着物文化、日本文化を未来に繋げられないということは本当に大きな心の痛みで、何度も何度も泣きました。

そうして28歳の時、「これは自分がどんなにお金を稼いで着物を購入したところで絶対にこの呉服業界は良くならない。これを良くするために私が呉服屋として起業しなければならない。これが私の人生の使命なんだ!」と思い立って、呉服業界に飛び込んだのです。まずは東京の呉服店で修行をさせて頂き、実家に戻ってユニクロで半年アルバイトをして起業資金を貯め、家族で京都に引っ越して株式会社二十八を作りました。

京ごふく 二十八は京友禅をメインの商材に掲げ、中間流通を省き、一般消費者の方からの受注によって生産する方式です。無店舗、無在庫で商売をやっています。一般的に呉服業界でのお誂え(おあつらえ)という言葉は、寸法をお客様に合わせて仕立てることと思いますが、弊社ではお客様のご寸法に合わせて、ご希望の柄を描き、お好みの色をお伺いするところから始まります。それでいて訪問着などの絵羽物は良心的な呉服屋さんよりも100万円は安い価格設定です。概ね3分の1ぐらいの価格でしょうか。

 

「よそから来て、京都の呉服業界でよく頑張ってるよね!」

「100年、200年の老舗呉服店だってやめていく中なのに、ベンチャーでよくやってるよ」

そんなお声を様々な方にかけて頂きます。とても有り難いことです。

 

 

呉服業界の規模と、職人に手渡せる金額

しかし、どんなに志を持って最高の商品にこだわった所で、よりたくさんの消費者の方に評価されなければ起業した意味がありません。冒頭にも書きました通り、商品には圧倒的な自信はあるのにビジネスとしてはNCの皆さんに完全に負けている、あれはまさしく私のことで、どんなに立派な志を語っても、どんなにメディアにたくさん取り上げて頂いても、結局呉服業界に対してインパクトのある事業を作り上げることが全くできていないのです。呉服の小売市場規模は2800億円あると言われています。でも、実際は全てが着物の金額だけではないでしょうから、そんなにはないかも知れませんが、それでも2000億円ぐらいはあると仮定しましょう。そのうち京友禅は、振袖などは中々のボリュームがありますから500億円ぐらいはあるでしょうか。

 

翻って、私の周囲にいる数少ない、本当に貴重な若手の京友禅職人さん達は最安値の月給で5〜6万円、ちょっとちゃんとした京友禅の仕事に就けた人でも月給15~20万円だと思います。最大でも年間240万円。経費を色々見積もったとしても400万円あれば、一つの工程(例えば糊糸目や挿し友禅)で仕事に専念しながら、生活もやって行けると思います。それをもし10工程の職人さんを支えるとしても年間4000万円。20工程あったとして、一つの工程に3人の職人さんを育てて行ったとしても、総額は2億4000万円。それで60人の若手職人さんを育てられるはずです。

呉服の小売市場規模が2000億円、当て推量ではありますが京友禅も500億円あるとしましょう。

2000億円もの売り上げがあるのに、未来を担ってくれる若手の職人さんに2〜3億円が回らないというのは全くおかしな話ではないでしょうか。少なくともそれだけの市場規模があるのだから、消費者にはまだ着物が好きで買いたいと思ってくださる方もおられるはずです。

余談ですが、50〜70代のベテランで、最高に仕事ができて、お金をしっかり取れている職人さんでも月給換算すると20〜30万円ぐらいということも補足しておきます。

 

 

 

【現状】着物が大好きな方々は、一体どんな呉服店にお金を払ってくださっているのか?

消費者の方が年間お支払いになる2000億円の内、「手描きの糊糸目が素晴らしいんだ!」、「京都の手刺繍で、すごいボリュームにしよう!」、「同じ金彩でも上品な仕上がりをしてくれる職人さんに頼もう!」、そんな価値観を持った気骨ある呉服屋さんに十分なお金を払って頂けていないんじゃないでしょうか。

結局、結論としては消費者の方々から見て、客観的に楽しそう、お金を思わず払いたくなる仕組みを持ったNC、LCの呉服屋さんにお金を払っておられるのだと思います。駅ナカ、ショッピングモール内の明るい店舗はアクセスしやすいですよね。無料着付け教室のアイデア、本当に素晴らしいと思います。振袖だけに商売を特化されているNCの方々、大物芸能人や旬の若手女優さんを起用し、しっかりと広告宣伝にお金を掛けて商売でやるべきことをキッチリやっているからこそ結果を出しているのだと思います。

 

結論づけるならば、NCはビジネスの側面が優れていますが、商品の魅力に乏しい(と、私は思います)。気骨ある呉服屋さんは、商品の魅力は優れていますが、ビジネスの側面において努力不足です。

左様であれば、ちゃんとした商品を扱っていると自負する呉服店も、お客様目線に立った営業、経営ができればもっともっと素晴らしい商品をたくさん販売できるはずです。

何度でも書きますが、そうした営業と経営の努力ができていない最たる人間が私です。京友禅のトップの職人さん達に仕事をお願いしながら、東京を中心に全国各地に素晴らしいお客様に恵まれ、呉服屋をやって行くに当たって信じるべき志も強く持っています。では何が足りないのか。商売、経営の力、そして同じ志を共有できる仲間だと思っています。

 

 

 

【これから】着物好きの方にどんな『流通の仕組み』の中でお金を払って頂くのが良いか。

京ごふく 二十八では「最高級品をリーズナブルに届ける!」ということを一つの目標にして取り組んで来ましたが、最高の品物を値段を下げて消費者に届けるということは超優秀な経営者でないとできないんですよね。だからユニクロは本当にすごいし、サイゼリヤもすごい企業です。ガストに行って驚きましたけど、スパゲッティの価格がサイゼリヤの1.5倍もするんですね。どちらも素晴らしい企業ですが、サイゼリヤの値段に掛ける情熱と企業としてのエクセレントさに衝撃を受けました。

 

翻って、この3年間を振り返るつもりで、私が京ごふく 二十八を運営するためにやるべき業務を全て書き出しました。そしてそれを実行するために、一ヶ月間で必要な時間数を算出したのです。その結果は、月に763時間の勤務。一ヶ月に31日、働くとして一日24.6時間の勤務です。これはやっぱりちょっとできないですよね。私も3年間ほとんど休まず、長時間仕事をして来ましたが、当然全部はこなせませんし、実行する仕事は目の前に迫ったことが多く偏っていました。それならば人を雇ったり、資金調達をしたりと、取るべき手段は多数あると思います。

この数ヶ月、つくづく自分を振り返って、こんなことを一人でやろうとして来たこと自体が本当に頭が悪いなぁと情けなくなりました。

 

一人でできることはあまりに少ないです。私にとっては営業パーソン一人を雇うことも大変に荷が重い。しかも、一人を雇ったとしても、きっと年間に作れる京友禅の反数は引き続き僅かなものでしょう。それではベテラン職人の手元を埋めてあげることもできないですし、先行きが見えない京友禅の世界にすでに飛び込んでくれている20~30代の若手に仕事を託すことも全くできないのです。

 

 

 

 

2000億円の売上をもっと効率的に職人へ伝えませんか!!

私が考えるに、消費者の方々がしかるべき呉服店でお金を払って頂けるようになれば必ずこの状況は改善できると思います。私の申し上げるしかるべき呉服店とは、中間流通を排除したしかるべき流通経路で、職人たちに消費者の払ってくださったお金を少しでも多く届けられる呉服店です。

 

一つ例えとして言えるのは、日本政府の税収を増やすことで、日本の財務状況は果たして良くなるのかということです。私も政治家の方に大変恩義のある方もおられるのでちょっと書きづらいのですが、現在の財務状況は税収の少ないことが問題では無いと思います。その使い方が問題です。私も公務員でしたから、年度末に不必要な工事や投資をしている様子にいくらか接して来ました。今年度の予算を取っておかないと来年の予算を削られるから不必要だけど使ってしまおうといったことが当然のように起こります。

やや話がそれてしまいましたが、既得権益に抵抗して税金の使い途を変えれば財務状況が良くなるであろうことと同様に、呉服業界でもお客様がお支払いくださったお金を既得権益に抵抗して、より良い使い方ができれば希望が見えてくるということです。

 

現在の呉服業界で、本当に着物を愛する消費者の皆さんが、訪問着に200万円、300万円払ってくださっても、職人たちの環境は全く上向きません。心ある皆さんはきっと「私がお金を払うことで、職人さんたちも潤うはずだし、着物文化を残していけるはず」と思ってくださる方もおられるでしょう。特にデパートや高級呉服店でお買い物をされている方々は、本当に着物を文化として愛してくださっている方々なので、そのように思ってくださっています。

それだけにこれは申し上げにくく、大変残念なお知らせですが、消費者の皆さんがどんなにお金を払ってくださっても、ベテラン職人の取り分が増えることはありませんし、若手の育成なんてとんでもないというのが、京友禅の生産現場の状況です。

2016年までも、毎年毎年、「生産量が少なくなって呉服業界の景気は本当に悪いねぇ」と常々各所で耳にしていました。ところが、2017年に入って、「去年までも悪い悪いと言っていたけど、今年は異常。ありえないレベルで生産量が激減している」と言う声が聞こえてきます。

特に夏前に大型の倒産があって、あまり関係のない問屋さんまでもが生産をギリギリまで絞って、例年に比べると新しい商品を作る量がものすごく減っています。そして最低限の新商品が必要な期日(秋の展示会など)に間に合う直前の日程で発注し、職人さん達が大急ぎで土日も休めないようなスケジュールの仕事を出しておきながら、悉皆屋(メーカー)さんに対する支払いは何ヶ月も先というような状況です。

 

 

これでまた「今年も小売市場が2800億円あった!」と言って、市況は下げ止まり、着物の人気も復活して来ているなどと論じたところで、糊糸目などをやる職人さん達は益々疲弊して、現場の環境は改善されません。

※糊糸目:京友禅を染める際、柄の輪郭に沿って置かれる真糊による防染法。真糊とは、モチ米、糠などを、一人一人の職人さんが独自に配合して、煮炊きして作っています。同じ手描き友禅でも、ほとんどがゴム糸目を使っていまして、現在でも糊糸目をやる職人さんはごくわずかです。

 

おそらく皆さんのような気骨ある呉服屋さんが付き合っておられる問屋さん達も口々に「生産現場は大変です。もうダメです。売って頂ける皆さんだけが頼りで、毎年の新作を最高の職人達に作ってもらうためにも何とかお願いします!」なんて仰っていませんでしょうか。もちろん問屋の皆さんもそう思っているのだとは思うのですが、私は先に例を出しました通り、もし消費者の方がたくさん着物を買ってくださり、呉服屋さんがきちんと早々に支払いをしたところで、そこから先の生産現場にお金は還流しないのです。消費者の方が100万円払ってくださったとしても、職人の所には10万円ぐらいしか届かない仕組みになっているのです。

 

 

やはり仕組みが間違っている。

気骨ある呉服屋の皆さん、そのように思われませんでしょうか。

 

私のよく知る職人さんで、50歳ぐらいと比較的お若く、非常に腕も良い職人さんが「もうちょっと無理だからタクシーの運転手でもやろうか」と言っています。

 

もう待った無しなんです!!

 

 

 

流通のグランドデザインを再構築する!

申し訳ないのですが、着物大好きな消費者の方がどんなにたくさんのお金を既存の枠組みの中で使ってくださっても、呉服業界は絶対に良くなりません。職人の後継者も絶対に育つことはありません。

 

もっと直接的にベテラン職人、若手職人に仕事(お金)を手渡せるような仕組みを作り上げる必要があります。そのためには現時点の私一人の販売力では無理ですし、もっと私が京友禅を作ることに集中しなければと考えます。

室町に眠る古い在庫を1枚お買い上げ頂いた所で、職人は全く潤いません。既存の流通の方々に対して、私もこれまで呉服業界を繁栄させてくださった恩人だと思っています。その存在は今でも呉服業界に取っての生命維持装置です。ですから、「既存流通は変えられざる聖域」というそのお気持ちも尊重は致します。でも革新的なチャレンジがなければ、呉服業界にとっての新しい希望は生まれません。

 

だからこそ我々、気骨ある呉服屋がタッグを組んで、ゼロベースで如何に流通のグランドデザインをやり直せるかに、呉服業界、着物の未来はかかっているのです。

お客様がお支払いくださった金額の何パーセントが職人の手元に渡るのか。それも仕事をしてからどれだけ短い期間にお金を手渡せるのか。これがもっとも重要だと考えます。

そして、これからの時代はこうしたことに共感して頂けるかどうかが、消費者の方が購入を検討する際のとても大事な要素になるはずです。

 

さて、ここまで書いて来ましたが、「それならば!」とばかりに、各呉服屋の皆さんがそれぞれ京都で悉皆屋として京友禅を作ろうと思われますでしょうか。もちろん、それができれば理想的ですが、皆さんは地域密着の呉服屋さんですし、これまでの問屋さんとのご関係もおありでしょうから、それを飛び越えて色々探るのは難しいものがあると拝察します。またそれぞれの呉服屋さんが別個にヒトモノカネの資源を投入していては、成功は覚束ないものと考えます。

 

そこで、是非、京ごふく 二十八と私を上手く利用して頂けませんでしょうか。

 

 

 

 京ごふく 二十八からのオファー

私は先に申し上げたように呉服屋になる前(2007年)から、全国の着物の産地を10年にわたり巡って来ました。もちろんそうした職人さんとの触れ合い大好きだったからですし、将来、呉服屋として起業した時のネットワーク作りのためです。起業を京友禅のお誂えに絞ってからは、悉皆屋としての仕事をするためだけに京都に移り住みました。ご存知の通り、京友禅は分業制なので、白生地を2〜3日おきに次の職人さんの所へ回す必要があるからです。

※悉皆屋:しっかいや。京友禅は分業制であり、職人さん達が京都市内全域に散らばって入るため、それを取りまとめて、真っ白な生地の状態から、順番に各職人さんに回していく仕事をする職業。京友禅のプロデューサーであり、イメージとしてはオーケストラの指揮者に近い仕事です。染匠(せんしょう)という言い方もします。他地域では、悉皆屋というとシミ落としをする職人さんなどのことだったりもしますが、京都でいう悉皆屋は京友禅の商品を作る人達です。個人事業主や、3〜5人ぐらいの規模の会社が多いです。元々は大阪で発生した言葉だったように聞いていますが、仏教用語で草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)という言葉から着ています。悉(ことごと)く皆んなという、何でもやる仕事だからです。

 

テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などのメディアにもよく取り上げて頂いています。元自衛官というユニークなキャリア、京都人でもないのに京都に乗り込んでベンチャーで呉服屋をやっていることなどが注目されてのことだと思います。念のために記しておきますが、私の実家は呉服屋などではないですし、資産なども全くありません。私がアルバイトで貯めた50万円と銀行からの融資、そして何より支持してくださるお客様からの売り上げで3年間やって来ました。

そんな経緯で、私は老舗の染め問屋でもないので、業界や消費者の間で、どこかの老舗のようなブランド力がある訳ではありませんが、皆様が組んでくださる時に最高の強みとなるのは、

 

「二十八には呉服業界、京都のしがらみがない!!」

 

ということです。京都、呉服業界ではこのしがらみのために多くの新しい取り組みがたくさん頓挫しています。私は一人でも突破して来ましたが、もし皆さんが力を貸してくださればもっともっと呉服業界一の出る杭になってお見せします。

 

私は本気でやってます。だからこそ、気骨ある呉服屋の皆さんのように、呉服業界に対して強烈なストレスを共有してくださり、本気で商売をやっておられる方々とならば良いプロジェクトを進められると信じています。

 

 

 

 

糊糸目のジョイント・ベンチャー(JV)

これは全国各地の気骨ある呉服店の皆様と、京ごふく 二十八によるジョイント・ベンチャーです。計画している業態の簡単な説明は下記の通りです。

煮炊きして作った糊糸目は冷凍庫で保管しています。左は蘇芳を混ぜたもので、右は亜鉛末を混ぜたもの。蘇芳が入った糊糸目の仕上がりはちょっと生成り色になりますが、若干の漂白効果がある亜鉛末を混ぜると糊糸目の線が白く仕上がります。仕上がりを想定して使い分けるわけます。

1.まず各社に染め帯一本分程度の金額を投資して頂き、着物ならば上前だけの見本裂を作ります。5社集まれば5本、10社集まれば10本の見本裂が作れます。

2.この見本を使って、セミオーダーの着物や染め帯を受注して頂きます。セミオーダーとは、柄は同じで地色を変更するというお誂えのことです。各社で見本裂を持ち回りして、各地で販売して頂きます。

 

3.受注をもらわれた場合は、二十八に対して内金をお支払い頂いた順に、製造を開始します。弊社からの納品後、残金をすぐにお支払い頂くという形です。お店によってご集金の形態は様々でしょうけれども、この商材に関しては、皆様のお客様にも最初に内金をもらって頂き、納品後すぐに残額を全て頂戴するようにお話をされてください。目的は職人にしっかりお金を支払い、若手職人も育てることにあります。消費者の方は必ずご理解くださいますから絶対に大丈夫です。レストランで食事を食べたけど、お金を払いたくないというような人は基本的にいません。

4.将来的には入会金や年会費も検討しています。後から加入された方にも、先輩会員さんでお金を出して作った見本裂を使ってもらった方が良いと思いますので、入会金という形を取ろうと思います。それゆえに最初に加入して頂いた方がお得です。

 

5.こちらも将来的なお話になりますが、加盟して頂くには先輩会員のご紹介、ご推薦を必要にできたらと思います。

 

 

 

 

ジョイントベンチャーによって得られるもの。

・皆様にとっては、京都に自社の製造部門を持ったと思ってください。二十八がその役割を担います。ジョイントベンチャーにすることで、弊社の製造ノウハウやネットワークを非常に高いコストパフォーマンスでご利用になれます。

 

・手描き、糊糸目が保証された商品をお作り頂くことが可能です。また、各作業をやった職人さんの名前まで明確な商品となりますので、お客様への説得力が違います。中間流通が多くなると品質を確認することが非常に難しいケースが多いと思います。

 

・価格についても同様で、安定した価格を実現できますので、他店との価格差で悩むことが無くなります。既存流通を通ると、全く同じ商品が問屋さんを一軒多く通過しただけで価格が高くなります。これはどんなきちんとした専門呉服店でも管理するのは無理です。

 

・品質と価格を京ごふく 二十八のウェブサイトで開示します。また製造個数(シリアルナンバー)についても弊社だけで管理できますので、皆様にとっても非常にご安心頂けますし、何より消費者の方々が不安に思っておられる「値段が適切かわからない」、「商品品質が不明」といったことを明確に解決できますので自信を持ったご商売をして頂けます。

 

・非常にフレキシブルな取り組みができます。立ち上げにおいても、皆さんと二十八で十分に話し合いをして、皆さんがより商売をしやすい、より消費者の方が喜んでくださる理想を作り上げて行きたいと思います。商品開発についてももちろんです。

 

・毎月のように京都にいらしている気骨ある呉服屋さんも多いことと思います。毎回の京都滞在で、皆さんはどのぐらい職人さんの所を回られますか。このジョイントベンチャーに加わって頂ければ、実際にご注文を取ってくださった商品を作る過程などをご覧頂くことができますし、京友禅の製造工程を京ごふく 二十八がご案内することも可能です。そうして撮影した写真などを自社のブランド向上にもお使い頂けます。

 

・京ごふく 二十八では、隔月で若手職人との懇親会も実施しています。こうした会とのコラボレーションも皆様に京友禅の製造現場、若手の現状を知って頂くための素晴らしい機会になるかと思います。

 

・投資コストは染め帯1本分程度で、繰り返し付け下げや訪問着の販売が可能です。

 

・ジョイントベンチャーの仲間とより洗練された販売や顧客満足度の高め方について情報共有、切磋琢磨ができます。

 

・職人の後継者育成に貢献できます。

 

・メディアへの露出などは私が積極的に致しますので、是非ご活用ください。また商材の写真なども撮影して参りますので、それらもお使い頂けましたら幸いです。

 

・「どのような柄を作るのか」をご自身のアイデアで作って頂けます。よく聞くお話は「問屋さんを回ったけれど良い商品がなかった」というお話です。では実際、日々接客しておられるみなさんのお客様が求めている商品はどのような物でしょうか。それをジョイントベンチャーの仲間で話し合い、弊社がダイレクトに受け止めますし、場合によっては職人さんに直接会って、目の前で下絵のアイデアを描いてもらうなどすることも可能です。

 

・色違いのセミオーダー、図案から描くフルオーダーに関しては京ごふく 二十八が3年間ノウハウを蓄積して来ましたので、全てオープンにお伝えします。

 

・製造過程の写真を個別にお送りすることができるので、例えば糊糸目が終わった段階、挿し友禅が終わった段階などで、写真と共に工程のご説明などを顧客の方々にお伝え頂けますと、少し期間がかかってしまう染め上がりの過程を含めてお楽しみ頂けますし、出来上がった商品に対してものすごく愛着を持って頂けます。

 

 

 

スケジュールとお申し込み

以後のスケジュールについては下記の通りです。

 

ヒアリング・イベント

皆さんとブレインストーミングをしながら、どのようなニーズがおありで、どのような使い勝手でにすれば、より良いジョイントベンチャーになるのか、話し合う時間を持ちたいと思います。場所は弊社オフィスです。

平成29年9月4日(月)17時〜19時(懇親会も計画)

             9月5日(火)09時〜11時

参加費:2000円(懇親会は別途)

 

 

スタートアップ・イベント

9月に出たアイデアを元に、ジョイントベンチャーを立ち上げるイベントを行います。様々な約束内容、スケジュールなどを確認し、会員同士の結束を固める機会にしたいと思います。場所は弊社オフィスです。

平成29年10月2日(月)16時〜19時(懇親会を計画)

​参加費:2000円(懇親会は別途)

 

 

京ごふく 二十八

〒600-8413 京都市下京区烏丸通仏光寺下ル大政所町680-1 第八長谷ビル2F

連絡先:090−7168−4768

 

 

 

お申し込みはこちらのリンクか、下記フォームからお願い致します。

Googleフォーム:https://goo.gl/forms/LHOnQ3wh7wkQkNRR2

 

なお、こちらの判断で、この企画にふさわしくないお方だと判断した場合、説明会へのご参加などをお断りすることもございます。勝手ながらご了承くださいませ。

 

 

最後に。

このジョイント・ベンチャーの目的はただ一つ、これから先も日本の着物の最高級の仕事を、職人さんがやり続ける環境を作ることです。これまで40年、50年と頑張って来られたベテラン職人さん達にもっと仕事をやって頂き、厳しい環境であっても是非これから京友禅の職人としてやっていきたいという若者達に道筋を作ってあげましょう!

既存の流通の枠組みで、これを実現することは不可能です。私のお願いしている職人さん達は30年ぐらい前から、この流通形態や商売のやり方では早晩立ち行かなくなると認識していたそうです。でも未だに流通は何も変わっていません。

 

我々、糊糸目のジョイントベンチャーは、糊糸目を扱う高級呉服のナショナルチェーンだと思って頂いても良いかと思います。我々仲間が力、アイデア、資源を合わせることで、2000億円の中で、NC以上に存在感を発揮できるはずです。糊糸目ジョイント・ベンチャーのメンバーにとって、創意工夫に残された時間はほとんどありません。職人の高齢化、材料の枯渇、生産量の激減は待った無しだからです。

 

糊糸目の着物をこれからも作り続けて行ける日本を残すために、貢献してくださいませんか!!

 

第二次世界大戦が終わった頃、戦禍を被った沖縄の首里において、紅型を伝える城間家、知念家の方々は、米軍が捨てたレコード盤をヘラにして、麻袋などを利用してまで紅型の存続にかけたと伝え聞いています。とんでもなく貧しい時代にあっても気骨を持った職人さんや問屋、呉服屋の先輩達が現在の資産を残してくれました。

現在、これだけ豊かな日本になって、インターネットでの情報発信やメール、デジタルデバイスの普及、宅配便などの利便性が圧倒的に高まった環境にありながら、先輩日本人が残して来た着物の製造技術や着る文化を残せないことは、私にとってあまりに恥ずかしく情けないことです。その原因は我々呉服屋や流通に関わる人間が自分だけ、自社だけのことしか考えていないからです。

基本的には生命の危機を感じずに生きられる生活を手に入れた日本人、我々呉服屋なのですから、自分たちの生活を守るとか、店を守るなんてちっぽけなことに人生の時間を費やすのではなく、最高の着物の文化を将来の子供達にまで残していく。そんな生き甲斐のある呉服屋人生を、皆さんのような気骨ある呉服屋さんとご一緒に歩ませて頂けたら光栄です。

 

 

もしどなたにも同意して頂けなかったとしても、私はとにかく自分一人で、やれるところまで一生やります。

 

どなたか気骨ある方が共感してくださって、本気の呉服屋さんと一緒に、糊糸目の職人仕事を残す生涯の仕事ができたら本当に嬉しい限りです。

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)

京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。

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