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着物購入のポイントColumn

着物[留袖・振袖・訪問着]はオーダーメイドがコスパ最強の理由10選

これまで様々なブログ記事で、皆さんがどうやったら最高のフォーマル着物、留袖・振袖・訪問着を購入できるかということを解説してきました。特に訪問着の購入方法については、京ごふく 二十八独自の見解で、これ以上ないほどコストパフォーマンスが高い購入方法をお伝えできたと思います。

一般的な呉服店:訪問着を高いコスパで購入する方法

高品質な訪問着をリーズナブルに購入するためには、まず「訪問着と付け下げの違い」を理解する必要があります。

決定版!【訪問着と付け下げの違い】を見分ける唯一のコツ

そして、こちらの訪問着購入方法をご覧いただければ、皆さんが一般的な呉服店やデパートで購入する方法として最高のコストパフォーマンスとなることを保証します。

絶対に失敗しない【訪問着の購入法!】

ただ、この購入方法にも『欠点』があります。推奨している糊糸目の着物についてを探す難しさにあります。主に下記の2つが欠点と言えるでしょう。

・糊糸目で作られているかどうかを呉服店が把握していない

・糊糸目による着物の生産量が着物全体の『0.2%』であり、圧倒的に少ない

その他にも現状の着物お買い物環境では、皆さんが悩んでしまうことが多すぎて、安心した着物のお買い物が難しいのではないかと感じています。

そうしたことを全てとは言いませんが、かなり解決してくれる方法がオーダーメイドです。まずは現状の呉服店で皆さんが何に困られるかを書いて行きたいと思います。

呉服店の着物購入で困ること【その1】品質がわからない

呉服店には非常にたくさんの商品が並びます。しかし、その1つ1つの商品が良いものなのか、そこまででもないのかを判断するのは至難の技。これはお客様だけでなく、ほとんどの呉服店やデパートの呉服売り場において、販売員でさえ把握ができていません。手描き友禅なのか、型染めなのか、インクジェットプリンターで作った着物なのかさえ、区別せずに店頭には並んでいます。

理由は簡単で、呉服店など小売をする会社は製造に関わっていないから。それならば商品品質について「知らないので調べます」と言ってくれれば良いのですが、なぜか呉服業界の販売員は、知らないのに何となく聞いたことがある知識だけで適当に答えてしまいます。

呉服店の販売員でさえ、留袖・振袖・訪問着を作っている友禅染めの品質について目利きができないのに、一般ユーザーである皆さんが目利きをするのはほぼ不可能に近いと思うのです。

呉服店の着物購入で困ること【その2】価格が妥当かわからない

価格の妥当性について判断することも非常に難しいことの1つです。

「これは〇〇先生の作った着物ですから!」と言われればまだ他店と価格の比較はしやすいですが、ほとんどの京友禅着物は無名の職人が作っています。その作り方などの品質が不明確では、価格が妥当なのかどうかさえ判断ができないと思います。

着物の値段は何で決まっているかというと、もちろん職人の手間賃が基本ですが、その他、流通経路の違いや呉服店ごとの掛け率の違いなどによります。それゆえ、同じ商品が他のお店に並ぶと当然のように価格が違うということが起こり、ユーザーの皆さんが安心して購入できないことも大きな問題です。

先述の「訪問着と付け下げの価格・品質バランス」について、呉服業界で消費者に正々堂々と説明できる人はいるのかどうかわかりません。

呉服店の着物購入で困ること【その3】あなたのニーズに3兆円の在庫で対応

あなたがあるTPOで着物を着たいと思って、訪問着の購入を検討するとしましょう。その時、呉服店に行って店頭にある訪問着で対応できなかった場合、その呉服店は問屋に該当する商品を探してもらいます。1年間の呉服小売市場規模が2800億円であるのに対し、流通在庫は3〜4兆円。それだけの中から探してくれるというのは良いことのような気もしますが、さにあらず。

呉服店やデパートの展示会では、立派な展示会場に1〜10億円分もの着物や帯を集めて、その中からあなたにマッチする着物を探すのです。着用するTPO、年齢、お好み、顔うつりなどを考えて探すと、商品は何億円分もあるのに、お薦めできる反物は3〜5点ぐらいにすぐ絞られます。

さらには呉服店が「ピンク・水色・黄緑色」のあなたに向く着物を取り揃えていたとしても、あなたが「黒い着物を買いたい」と言えば、それに応えることはできないわけです。もし親切な呉服店であれば、あなたの気に入る柄があった時に、それを黒で別染めしてくれることになるかもしれませんが、元の商品はまた流通在庫に戻ります。

そうした流通在庫があるということ自体がコストですし、近年は展示会でもそんなに着物がバンバンと売れるわけではありません。また立派な会場や食事を用意する費用、メーカーを呼び出す費用などもコストとして、購入される1つずつの着物に経費として乗ってくるわけです。

つまり売れないわりにコストは掛かっているので、着物の市場価格は5年前、10年前と比べてもどんどん上がっています。つまりコスパが非常に悪くなっているのです。

そもそも京ごふく 二十八がお薦めしているモチ米を使った糊糸目(のりいとめ)の着物は生産量全体の約0.2%しかありません。展示会場にはたくさん着物があるように見えても、本当に価値ある着物は結局ごくわずか。その中にあなたのニーズにぴったりあった着物がある確率は極めて低いと言わざるを得ません。

呉服店の着物購入で困ること【その4】営業は説得業?!

呉服店で購入経験がある人は、担当の営業が上記のような段取りで、何点かに絞ってお薦めされた経験がおありではないでしょうか。

呉服店の営業は、たくさんある商品の中からあなたのTPOにマッチして、お似合いになって、あなたが気に入ってくれそうな商品を探し出してお薦めします。あなたが気に入ってくれる着物が2〜3点程度に絞られれば、あとはそれぞれのメリット・デメリットをお話したり、着物を肩に掛け、帯や小物をコーディネートしながら、気に入ってもらえるようにお薦めします。

着物の営業でよく売る人というのは大きく2つに分かれます。「知りもしないことを悪びれず何でも言って販売する人」か、知らないことを言うのはあとでクレームになって怖いので「上手に誤魔化しながら販売する人」のどちらかです。

きちんとした呉服屋でも、知りもしないことを言ったり、「この商品は1点限りです」なんていう保証できないことを言う販売員もあります。残念ではありますが、それが呉服業界だと思った方が良いでしょう。後者の方がまだましですが、知らないことを事前に下調べして、自信を持って販売しようと言う人がいないのはちょっと不思議なところです。

とにかく、そのような営業パターンですから、そのあなたのために絞った着物を「このチャンスを逃すと二度と手に入らない」とか、「運命の出会いでこんな商品は滅多にない」とか言って説得する「説得業」が呉服屋の営業だと思っていれば8〜9割は間違いありません。最後は算盤パチパチとなることもあるでしょう。

そうした販売技術や会話術は魅力的でもあるのですけれども、合理的な考え方ができる方には理解するのが少し難しいかと思います。

補足として、本当に着物のことをよく知って親切心で販売できる呉服店というのもあると思います。ただ、自分で物作りの現場に入り込んで日々やっているようでなければ、本当にはわからないので、友禅の物作りを実際にやっている呉服屋ということになります。そうなると呉服屋全体の0.1%以下にはなるでしょう。

呉服店の着物購入で困ること【その5】色・デザイン・品質に妥協しなければいけない

そのようにして販売員、営業が薦めてくれる着物は、既存の商品である以上、どこかを我慢する場合も出てきます。

「この柄は好きだけど色がちょっと」とか、「描かれている花は大好きだけど、苦手な蝶が描かれている」とか。

営業が絞ってくれるのは、たいてい色とデザインについてです。それでも何千点とあるのが3〜5点に絞られてしまうのに、もし選ぶ候補を「糊糸目にして欲しい」などと『品質』についてリクエストをしたら選べる商品はほぼゼロになるでしょう。

こだわると、色・デザイン・品質、何かを我慢しながら選ばなければならないのが通常の購入です。

見識のある呉服店が理解していること

あなたの理想の着物は、3兆円の在庫の中には存在しない。

もし私が一般の呉服店で営業をするとして、もしお客様が「ピンクの貝桶柄の訪問着で、生地は綸子地。貝桶の背景に柳が描かれた着物を買いたい」とおっしゃって来たら、「そのような着物はおそらく無いと思います」とお答えするしかありません。

具体的に「こんな着物が着たい!」というしっかりしたニーズがあればあるほど、お客様も呉服店もお互いに困ってしまいます。なぜなら、どこかの雑誌で見たとかというケースは別として、お客様が頭の中で考える理想の着物というのは世の中に存在しないからです。

それよりも在庫の中からお選びいただく方がスムーズというのが現状の呉服店の考え方です。

優れた販売員ほど問屋在庫の限界を知っている

優れた販売員、つまりお客様のお好みを把握して良い商品のことを知っている販売員ほど、問屋在庫が期待に応えてくれるケースが減っていることは強く実感しています。結局、流通在庫は量と質の問題があり、どんなに良い品物を求めるお客様がいらしたところで、質の高い商品は減っていて、さらにそこに色やデザインの指定があるご注文だととても応えられなくなっているのです。

これまで述べて来たことは、呉服業界の販売に携わる人たちには当たり前すぎるぐらいに実感していることなのですが、実はこうした諸問題をオーダーメイドの着物であれば解決することができるのです。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その1】品質が確実

オーダーメイドであれば、どういう技法で染めてもらえるのかを事前に確認することができます。

ただし、誰に頼むかが非常に重要で、一番良いのは腕利きの悉皆屋(しっかいや)という京友禅メーカーに頼めると理想的です。それ以外には友禅染めをしている作家さんで、あなたの好みの着物を染めている人がいればそうした人に直接頼んでしまうのが良いでしょう。

そうした悉皆屋や職人、作家であれば、どういう技法で染めるかは確実に把握できていますし、こうした職種の人間は製法について本当のことしか言いません。ただ、悉皆屋や作家もできることは自分の技術の範囲内ですから、もし絵がうまいとか、糊糸目が良いとかのリクエストがあれば、それを「できる人に最初から頼む必要がある」ということは覚えておきましょう。普段、やっていない人に頼んでも難しいものなのです。

もちろん呉服店に頼んでもオーダーメイドはできるのですが、問屋、悉皆屋を経由するような呉服店の場合は、オーダーメイドの細やかな注文も「伝言ゲーム」になってしまうので、あまりお勧めしません。物作りを自分でやっていて、オーダーメイドが得意な呉服店に頼むようにしましょう。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その2】価格は事前に決められる

オーダーメイドの場合、作る前にご予算を伝えることが可能です。ある程度、頼む先によって予算の幅は決まりますが、事前に予算の相談ができることは間違いありません。

予算に限りがあれば刺繍を減らしたり、柄を減らしたりといったこともできますし、それでいてあなたのニーズを叶える物作りが可能です。着物は帯や長襦袢など、トータルでのことなので、お手持ちの帯を合わせるだとか、そうしたことも含めてご相談ください。

呉服店や悉皆屋、友禅作家としても、オーダーメイドは即納品となる前提ですから、比較的リーズナブルな価格設定がされる場合もあると思います。

ご予算のことは最初に遠慮なく相談しましょう。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その3】あなたのニーズから物作りがスタート

オーダーメイドの素晴らしいところは、あなたのニーズに対して、すでにある3兆円の在庫からはめ込むのではなく、あなたのニーズがスタート地点となって物作りがスタートすることです。

ニーズ例1:結婚式に着て行ける訪問着・地色はピンク・柄は桜と貝合わせ・生地は駒無地・糊糸目・刺繍多め・価格は80万円・帯や小物までコーディネートしてほしい

ニーズ例2:茶道でも使えて、カジュアルなパーティやお出かけにも使える付け下げ・地色はシックなグレーのぼかし染め・モダンな幾何学模様・生地は光沢感のあるちりめん・価格は40万円・帯はお手持ちの黒い帯に合わせる

こうした具体的なことが決まっていれば、一人一人のニーズに合わせた着物をお作りして、「あなただけの世界で一枚の着物」をお届けすることができるのです。しかもオーダーメイドを専門でやっているような呉服店であれば、市場価格に比べて比較的リーズナブルに提供できるはずです。もし一般的な呉服店で頼むとしても、既存の商品より価格が高くなるということも基本的にはないはずです。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その4】デザインが選べる

デザイン、着物用語で言えば「柄付け」です。お似合いになる着物の要素は大きく分けて色と柄。お似合いになる着物のためには「似合う色」と「似合う柄」を選ぶことが大切です。

また着物の柄には季節を選ばない宝尽くしや有職文様などもあれば、梅や桜など季節限定の柄などもあります。あなたのお手持ちにない、ご自分の着物ライフスタイルに合った柄を選びましょう。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その5】色が選べる

色は非常に重要な要素です。一番大切と言っても良いかも知れません。既製品だと色柄が完璧に自分好みになっているケースは少ないと思いますが、オーダーメイドならばこの色と柄を自由に組み合わせられるだけでも価値があります。

昨今は着物に対する価値観、好みが多様化し、若い方でも地味な色を選び、年配の人でも綺麗な色を好むというケースもあります。もちろん昔ながらの若い人は派手、年配の人は地味という傾向も根強く、どんなお客様を想定して色柄を染めるかということが本当に難しくなって来ているのです。

その意味では、ご自分がお好みになる色を選べるというのは大きなメリットです。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その6】生地を選べる

初心者の方でも結構、生地のお好みはあるものです。華やかに光る綸子地であったり、茶道に向くちりめん、色柄を綺麗に染められる駒無地など。

生地は本当に重要で、良い色を染めるためには良い生地が必須となります。一見似たような生地でも特性は様々で、発色が優れたものもあれば、シワになりにくいものもあります。あなたのニーズに合う、もしくは憧れる生地で染めるようにしましょう。

いつも染めを行なっている悉皆屋の意見をしっかり聞くのはお勧めです。やはり仕上がりの良し悪しをよく知っていますし、色や柄がどうなって、最終的に着物になった時の良さを情報として聞いておけば後顧の憂いもありません。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その7】あなたのエピソードが染められる

オーダーメイドで作る場合、もちろんゼロから作るのは職人も大変なのですが、下絵を描いてくれる場合はあなただけのエピソードを盛り込むことが可能です。京ごふく 二十八でお作りしたお着物も、お誂え主様だけの特別なお着物をお作りしました。

オーダーメイド例1. 香道をされているので、お香道具の「銀葉盤(本香盤・試香盤)」をモチーフに。一見着物らしい柄ながら、見たことがない柄なので興味をひかれます。香道の皆様と集まれば、そこはよく知っている皆様なのでとても盛り上がる柄です。

オーダーメイド例2. お名前に「藤」の文字がつくお客様がご注文くださった藤柄の訪問着。さらに足元には飼っているペットの犬をモチーフに。本当は洋犬なのですが、円山応挙の和犬にうつして染め上げました。

標準的な誰かのために染められた着物ではなく、あなたが着るからこそ輝く着物がオーダーメイドの着物です。特別なテーマを染める必要はないのですが、あなたの「こんな着物を着てみたい」という理想を聞いて着物を作ると、不思議とあなただけの特別な着物となります。

そうした工夫を施しても、職人の工程数としては既製品と変わりませんので、価格も既製品とそんなに差はありません。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その8】人に話したくなる購買体験

色・柄・生地を選び、さらにはご自分のエピソードまでを染め上げることができるのがオーダーメイド。日本では昔からお誂え(おあつらえ)と言いました。まずこの発注過程1つとっても、ご友人に話したくなってしまうのではないでしょうか。

さらには発注後に製作しますから、その過程をご覧になったり写真で見ることが可能です。熟練職人が作る過程まで見ながら、徐々にできあがっていく様子を楽しむことができると、ものすごく深くその着物を愛することができるようになります。

10〜20年前までは、立派なお店で購入したり、「この着物、500万円もしたのよ」という金額が自慢のタネだった時代もありましたが、スマートな自慢ではない印象です。「オーダーメイドで着物を作ったのよ」という風なお伝えの方がおしゃれかなと感じます。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その9】家族で伝える着物になる

ご家族のエピソードを染めたお着物に仕上がれば、それは本当に価値がある着物になります。

ご家族のエピソードを染める

私の友人が染めてくれた訪問着は、ご家族全員の誕生花(365日それぞれの誕生日に決められた花)を散らしてあります。ちょっと珍しい草花も入り混じっていますが、訪問着の柄としてご家族を表現しているため、他人が着ても意味をなしませんが、そのご家族であれば皆さんで共有したり、お嬢様に継いでいったりということもできるわけです。

標準的な誰かのために作られた着物よりも、オーダーメイドであなただけの着物を作るとそんな家族で語り継げる着物もできます。

ご家族で染め体験

これはいつでもできるわけではないのですが、京ごふく 二十八ではフルオーダーのお客様に限り、実際に京都にいらしていただき、ご自分の着物をどこかわずかだけでも染めて頂く体験をしています。

ある時はお母様のお着物を、ご主人様、小学生、幼稚園のお子さんまでご一緒に京都へ来て、職人に教わりながら皆さんに少しずつ染めていただきました。小さなお子さんは覚えてくださっているかわかりませんが、それでも染める様子は写真に残してありますから、思い出してくださることでしょう。

こうして染め上がったお着物を、毎年お母様が着てくださると、その度にお子さんは「ここは僕が染めたんだ!」と京都で染めた体験を思い出してくれるでしょう。そうして着物に思い出を積み重ねて頂けたら、着物が単なる物を超えた価値をもって輝いてくれるように思います。

オーダーメイド着物がコスパ最強【その10】理想の着物を目指せる

2年、3年と訪問着を探し回った末に京ごふく二十八のオーダーメイドを気に入ってくださった方もいらっしゃいました。それだけたくさん見てもなかなか気に入るお着物に出会えなかったそうです。

ピンポイントでニーズにお応えする

あなたのニーズ、例えば茶道にも使えて結婚式のお呼ばれにも着られて、お子さんの入学式などへの付き添いに使える訪問着を、綺麗な水色の地色に貝合わせ柄、糊糸目製法で作りたいといったリクエストに、オーダーメイドならばピンポイントでお応えできるわけです。

私もたくさんの訪問着オーダーメイドをうけたわまっていますが、本当に細部へのご意向をたくさん承ります。例を挙げると下記の通りです。

・松の葉先を丸くする

・下絵のラフスケッチを描いた後、花の量や枝の流れなどを細かく修正

・ご自分のルーツにまつわる柄をデザイン

これらのご希望が出るのは、本当にオーダーメイドの良い部分だと思っています。なぜならばそれだけ「叶えられなかった思い・ニーズ」がお客様の中にあるのだと気付けたからです。

オーダーメイドは隠れていた「あなたの理想」を引き出す

あるお客様がおっしゃったのは「私もこれまでは店頭にある商品を単に購入するだけだったけど、オーダーメイドができると知ったら色・柄まで色々とお願いしちゃうのよね」というお言葉でした。お客様もやはりオーダーメイドできるとなったからこそ、「こんな着物があれば理想的!」という潜在的に隠れていた思いが現れてきたのだと思います。

着物に限らず、現代の消費者ニーズは本当に多様化しているもの。もちろんたくさんの振袖・留袖・訪問着を用意しておいて、パッと買えたら最高なのですが、2800億円の呉服小売市場規模に対して、3〜4兆円もある在庫をさらに増やしていくことはちょっと現実的ではありません。

だからこそ、これからはオーダーメイドの着物を作ることが非常に理にかなっていると考えるのです。

「良質な着物の購入」で困っていることを解決できる

これは販売する呉服屋側も困っていることなのですが、「良い品物はお客様が選べるほどの数がない」ということです。1つ例をあげましょう。

手描き友禅の振袖を購入しようとしたら、おそらく180万円ぐらいからの仕立て上り金額になると思います。デパートなども含めての金額で言えば、200〜500万円の価格帯となるでしょう。しかし、それだけの価格帯の振袖を何十枚も用意しておくことは非常に難しい時代になっています。

例えば、わかりやすく200万円の青い振袖が1枚置いてあるにも関わらず、いらしたお客様が「赤い振袖がほしい」と言った時に、

「80万円なら赤い振袖があります」

「手描き友禅の振袖が良かったら、青い200万円の振袖にしてください」

という2択を迫られることになるのです。こうした状況に非常にうまく対応できるのが、説得業たる呉服の営業パーソンです。

これに対してオーダーメイドでしたら、「200万円の赤い振袖をお好きな柄で作りましょう」とご提案ができるわけです。

オーダーメイド着物のデメリットは?

そんな様々なメリットがあるオーダーメイドですが、デメリットはどのようなものがあるでしょうか。

商談時点で完成品を見られない

「こんな着物がほしい」と理想が言えることは良いのですが、その商談をしている時点で現物を見られないというのはオーダーメイドのデメリットでしょう。

現物がありませんから、羽織って顔映りを見られないことは、着物選びに慣れない初心者の方にとってはハードルが高いことと言えるでしょう。

必ず理想どおりにできるとは限らない

注文主のニーズや理想をどこまで汲み取れるかということは仕上がりに大きく関わります。

オーダーメイドで職人が作ってくれる着物なんて言ったら、全て高品質と思われるでしょうが、そのクオリティは様々。京ごふく 二十八が考えるのは、とりあえず「糊糸目」を最低限の基準に据えておけば良いかなと思います。

もう1つおすすめすることは、自分が好きな雰囲気の着物を作っている所にお願いすることです。さらにその中で一番好きな着物を作っている悉皆屋・職人に頼んでもらえるようにするとかなり理想のクオリティに近づくはずです。

色は見本と全く同じには仕上がらない

地色は非常に大切な部分ですが、「引き染め」という地色を染める作業はものすごく繊細で、電子計りで染料をコンマ以下のグラムまで測って調合しても、毎回若干の違いが出てしまいます。

特に色見本と生地が異なる場合はそれだけで発色が異なりますから、色味が完全に一致することはちょっと現実的ではありません。色見本と厳密に比較するというよりも、染め上がりをパッと見て良い品物に仕上がっているかどうかが重要と思ってください。

納品までに時間がかかる

オーダーメイドで着物を作ると、3〜6ヶ月は掛かると思ってください。特に振袖・留袖・訪問着などは柄がたくさんあって、1つ1つの工程にすごく時間がかかります。既製品は仕立てるだけですから、せいぜい1ヶ月程度でしょう。

オーダーメイドの着物は余裕を持って注文さえすれば、この出来上がるまでの期間を製造工程の写真など送ってもらいつつ、楽しみながら待てる時間に変えることが満足度向上のためには重要です。

オーダーメイド着物は特別なものではない

オーダーメイドというとものすごく贅沢なことのような気もしますが、実は昭和30年代ぐらいまで、高級な着物オーダーメイドしかありませんでした。振袖、留袖を買うとなれば、お誂え(おあつらえ)という名のオーダーメイドで頼むのが普通のことだったのです。

加えてこうしたお誂えは江戸時代には世界初のモードを牽引した注文方法だったと思います。現在、オートクチュールと聞けば、最高級の代名詞とも言えますが、実はオートクチュールというのはデザイナーがそのシーズンの流行を取り入れた洋服を作って、それを顧客のサイズに合わせて作り直すだけのもの。もちろんそのデザイナーのセンスだったり、ブランドを含めて買えてすごいのですが、着物のお誂えのようにユーザーの意向を反映した衣類づくりではありません。

その意味でも着物のオーダーメイドは世界でも類を見ないほど贅沢な文化で、ぜひ体験をおすすめします。

オーダーメイド着物のコスパ

これまで述べて来たように、既製品の着物、それもフォーマル着物を購入するには、価格や品質が不透明で、良質なものほど選択肢がほとんど無いため、なかなか高いコストパフォーマンスを発揮できません。

それに対して、オーダーメイドで着物を作れば、あなたのニーズ・理想にピンポイントで物作りができるので、最高のコストパフォーマンスを誇るものと思います。

小紋や紬もオーダーメイドで作るべき?

また、補足ながら小紋や紬などカジュアル寄りの着物はそれなりの在庫があっても良いかと考えています。フォーマルな着物に比べると価格も低めで、多くの人のニーズを叶えることができる商材だからです。

初心者にオーダーメイドはハードルが高くないか?

着物をオーダーメイドで作ると聞くと、初心者にはとてもハードルが高いことと思います。もっと言えば初心者どころか、高級な着物をこれまでたくさん買ってきた方にとっても、オーダーメイドをやったことがないという人がほとんどです。

ただ、それでも私の経験から言えば、初心者の方でもオーダーメイドの着物をお作りになることは難しいことではありません。呉服屋がしっかりヒアリングを重ね、お客様のニーズ・理想を伺っていけば、良い着物を作り上げられます。いわゆる「お見立て」することの延長線上に「お誂え」があると思います。お見立てできない呉服店の販売員だとお誂えは厳しいですが、お見立てに自信がある販売員なら、むしろ既製品の着物を当てはめるような販売よりもオーダーメイドの方がずっと力を発揮するはずです。

呉服店で着物を探し続けることもコスト

10軒、20軒と呉服店を回り、何百枚もの訪問着をスルーした末にオーダーメイドという解決策を知ったという方もいらっしゃいました。呉服店の大展示会に行っても、呉服店を何軒回っても理想の商品になかなか出会えないとお客様から伺います。

その探す時間や手間もコストと言えばコストです。呉服店まわりは楽しい時間でもありますし、いろんな着物を羽織ってみてご自分にどんな着物が似合うかということも良いかとは思います。ただ、もう1つ選択肢として着物はオーダーメイドで作れるということを覚えておきましょう。ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)
原 巨樹 (はら なおき)

京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。

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