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特別コラムSpecial Column

「黒・リバーシブル・裏勝り」というチャレンジ    お誂え主:清水恵子さん(スタイリスト) Vol.03

ファッションの世界の第一線で長く活躍するスタイリストの清水恵子さん。たくさんの服に触れてきたおしゃれのプロがオーダーしたのは、既成概念を超えた着物。審美眼の持ち主の妥協のないリクエストに、京ごふく二十八、そして京の職人たちの新しくて、心躍る挑戦がはじまったのは2020年10月。その完成までの軌跡を追いました。第3回は、リバーシブル着物の着こなしの全貌です。

 

既成概念を超えた黒無地の可能性を広げるために

清水さんたってのご希望の、慶弔両用の黒無地とカトレア柄のリバーシブル着物がついに完成。着こなしのプロであるスタイリストが、どのように楽しんでくださるか興味ありませんか? 特に黒無地は、清水さんらしいスタイリングが斬新で、新しい着物の着方のヒントにあふれています。

まずは、悲しみの席用の装いから。

 

喪服の場合、ドレスコードやルールに準じるのが大切です。準喪服である一つ紋入りの黒無地は、まず失礼のない礼服であり、喪主や親族よりも格を下げている分、汎用性も高いといえます。帯や帯揚げ、帯締めも黒が鉄則です。

続いて、慶びの席用の装いを。

お嬢さんと息子さんの将来のことを考えて、慶弔両用をリクエストした清水さん。Vol.01で紹介した古いアルバムの写真のように、一つ紋入り黒無地を結婚式にふさわしいスタイリングで。上品で華やかな金と銀の刺しゅうが入った袋帯に、白の帯揚げと帯締め、そして草履を。シンプルな黒無地だからこそ、帯の存在感が際立ち、洗練された雰囲気が漂います。

最後に、パーティの席の装いを。

「ブラックドレスのように、パーティで着物を着られたら」。そんな清水さんのアイディアが実現しました。ロングドレスと同じくらいの品格があり、外国でのパーティでも喜ばれそうな着こなしは、ミニマルな黒無地だからこその遊び心があふれています。着方にもひと技。上前にドレープを入れ、帯はビビッドなピンクと黒の2枚使いで華やかに。Misaharada(https://misaharada.jp)のチュール付きのヘッドドレスを合わせれば、清水さん流の小粋なパーティスタイルの完成です。

 

ニュアンスカラーのカトレア柄をエレガントに

黒無地とはまた違う雰囲気で着こなしを楽しめる、ブルーグレーのカトレア柄。一着で何通りも着られる。これこそリバーシブル着物の醍醐味です。

衿を抜くことで、こなれた印象の着こなしに。あえて上前を折り返して覗かせた黒無地が素敵なアクセントになっています。帯は同じカトレア地紋にして、よりドレスのように。ツートーンにまとめることでモダンさも際立ちます。

 

帯留めにはシルバーのブローチを。その自由な発想が、着物をより身近に、よりおしゃれに楽しむ秘訣なのかもしれません。洋服の好み同様、和服だからと華美になりすぎず、ドレスコードやルールを鑑みながらもシックなスタイルに仕上げているところが、さすが清水さんです。

京ごふく二十八が嬉しいのは、清水さんのように着物を楽しみたいと思ってくださる気持ち。そして、お誂え主さまと最高の職人を繋ぎ、喜んでいただくことが、悉皆屋としては何よりです。

 

おまけ。

普段、職人たちは自分が手がけた着物を、お誂え主さまが着用している姿を見る機会はほとんどないのですが、今回、清水さんは京都の職人さんの元へ。糊紋置き職人の亀㐂さん、三度黒で染めていただいた山田黒さんも、その仕上がりに満足いただけた様子で、京ごふく二十八としても、素敵なご縁を繋ぐ事ができて幸せな瞬間でした。

 

糊紋置き職人の亀㐂さんと清水さん(上)、山田黒さんと清水さん、京ごふく二十八の原(下)と記念撮影。

Photo: HAL KUZUYA

Text: SHIHO AMANO

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この記事を書いた人
原 巨樹 (はら なおき)

京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。

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