訪問着[椿にモズ 銀鼠]

上前から胸にかけて、白椿の枝が立ち上がる図案となっています。
銀鼠
地色は銀鼠(ぎんねず)。着物好きには馴染み深い色目です。シルバーグレーといっても良いと思います。白に近い銀色で、スッとした感じがします。ちょっとでも黄色味、赤味に振れると調子が変わりますが、この訪問着はどちらに片寄るでもなく、シンプルに銀鼠といって良い色目です。

モズ
椿の枝に何か鳥を染めたいというご意向を伺って、それならばと季語辞典などを調べました。鳥は植物と違って、一年中存在はしているものですが、やはりそこに季節感を感じるのが日本だからです。新年は梅に鶯(ウグイス)、春は柳に燕(ツバメ)、夏は流水に翡翠(カワセミ)など。同じ雀(スズメ)でも、厳冬の時季には「ふくら雀」といって、ちょっとまん丸く、毛が逆立った雰囲気で図案にします。
モズは秋の季語でもあるのですが、冬モズという季語もあります。宮本武蔵も枯木鳴鵙(モズ)図という冬景色の中にモズを描いています。
そして、もちろん季語も大事なのですが、呉服屋としてはやはり着物の色柄にマッチした鳥であってほしいですから、色々と探しました。その中でも今回決まっていた銀鼠の地色と、白椿の白、葉の緑に対して茶系のモズはちょうど良いアクセントになってくれると思いお勧めしました。またオスとメスで毛色が異なるのですが、優しい色味のメスがお誂え主様のお好みということでしたので、それに合わせて染めています。
図案と染め上がり
下の写真の左側が今回描いた下絵、右側は染め上がった様子です。下絵だけをご覧になって染め上がりを想像することはとても難しいのですが、二十八にお任せ頂けましたら良い雰囲気に染め上げます。こうした写実の雰囲気で染められる染め屋さんは決して多くありませんので、自信を持ってお薦め致します。

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京ごふく二十八代表。2014年、職人の後継者を作るべく京都で悉皆呉服店として起業。最高の職人たちとオーダーメイドの着物を作っている。
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